2018年プレーバック(JPBA男子)

文句なしのランキング1位となった大井直幸
今年のJPBA男子を振り返る上でこの名を外すことはできない。2年連続年間MVPを獲得した大井直幸だ。大井は今年、9年振りに西日本から東日本へ帰ってくると、『グランプリイースト』第1・2・3戦を優勝など、年間6勝を挙げた。その中で最も強い印象を残したのは、自身初の海外戦タイトルとなった『2018密雲ナインボールインターナショナル選手権』だろう。圧倒的なプレースピードと決定力は国内においては別格の存在になりつつある。来年はさらなる海外タイトルの獲得に注目だ。

栗林達。『北陸オープン』では大井に勝利し優勝を飾った
続いてJPBAランキング2位は
栗林達。栗林は北陸、九州、関西のオープン戦など、年間4勝を挙げた。特に『北陸オープン』では5度目の決勝でようやくの優勝を果たした。3位には『関東オープン』優勝や各大会でコンスタントに上位入賞を果たしていた
羅立文。4位は『全日本14?1選手権大会』優勝、シーズン後半でグランプリ連覇を達成した
土方隼斗。5位は『全日本選手権大会』で5位タイの成績を収めたトップ5唯一の西日本勢、
飯間智也がランクイン。

今年も抜群の安定感を見せた羅立文が3位

4位・土方隼斗。代名詞のマスワリ量産でグランプリ第6・7戦を連覇した
トップ5以外でも『グランプリウェスト』第3・5戦で連覇を果たし、変わらぬ強さを見せているダイナマイト・レフティー
川端聡や、『全日本ローテーション選手権』優勝、『ジャパンオープン』5位タイなどの成績を収め、一時期は4位にまでランキングを上げていた
杉原匡など、トップ10は実力者たちによる熾烈な争いが繰り広げられていた。

飯間智也は全日本での活躍が大きく、5位
11月下旬、JPBAの長い歴史に新たな1ページが書き加えられた。まだ記憶に新しい『全日本選手権大会』でベスト16に8名が残るという躍進。そして、
高野智央が栗林とのJPBAファイナルを制し、13年ぶりに日本にタイトルをもたらした。

高野は現役プロ3人目の『全日本』タイトル獲得者となった
近年の『全日本』では押し寄せてくる海外勢の波に気圧されることが多かった。しかし、今年は1人1人が、ワールドクラスを相手に臆することなく立ち向かい、強豪選手達を次々と撃破した。その結果、2人の日本人が決勝の舞台へと立つことができた。JPBA全体のレベルは着実に上がってきている。

格上の選手達を打ち負かし、決勝へと進んだ高野・栗林
大井の海外戦初優勝、高野の『全日本』初優勝によるタイトル奪還など、明るいニュースが多かった2018年。来年は海外で活躍する選手が1人でも多く現れること、そして、『全日本』のタイトル防衛を果たすことで、ビリヤード界はより一層盛り上がっていくことだろう。