RANKING #1 河原千尋
11月19日(月)から開催される『第51回 全日本選手権大会「寬仁親王牌」』。ポケットビリヤードにおいて国内最高峰とされる「全日本」は、国内外の強豪選手が集まり毎年注目を集める。今回はそんな「全日本」で活躍が期待されるJPBAランキングトップ5を紹介したい。
北陸オープン決勝、タイスコアで迎えた第7ラック。河原のマスワリ
女子のランキングトップに君臨するのは、2820ptを獲得している
河原千尋だ。「1番強い女子プロ」と言われて真っ先に挙がるのは河原の名前だろう。大阪出身、普段は大阪・中央区の『
アンセーズ』でオーナーを務める河原は、公式戦複数制覇は毎年のデフォルトで、プロ14年目で公式戦優勝32回、準優勝25回の記録を持つ。2013年からは年間ランキングMVPを5年連続でとり続け、今年もこのまま行けばその数字が1つ増えることになる。日本の絶対的エースと言っても過言はない。
2000年に「全日本アマチュアポケットビリヤード選手権大会 女子級」を史上最年少の15歳で制覇するなど、アマチュア時代から怪物的な強さの片鱗を見せていた河原。2005年にプロ入り。その年6月の「セントラルレディースオープン」にて公式戦初優勝を果たし、その年の暮れの「西日本女子プロツアー第5戦」にて2勝目を挙げる好調なスタートを切った。
2005年西日本女子プロツアー第5戦
海外戦にも積極的に参加し続ける河原は、プロ4年目の2008年に「アジアンテンボールチャンピオンシップ」で優勝、2009年には準決勝で惜しくも
周?妤(台湾)にヒルヒルで敗れるも「アジア選手権」3位タイの結果を残した。
2014年には台湾で行われる「アムウェイ女子ナインボールオープン」で5位タイにつけ、その後単独台湾修行を敢行。台湾から帰還した河原はその年「女子プロツアー」全3戦優勝の記録を作り、全日本選手権では日本人最高位の3位タイ入賞を果たした。2016年には国際タイトルとして名高い「女子世界ナインボール選手権」で準優勝を果たし(中国の
韓雨が5点連取の9?7で逆転勝利した)、世界ランキング6位につけた。既出のように、この当たりの河原は国内では手のつけようがないまさしく敵なしの状態。ランキング2位以下に最低でも200ptの差を付け、'15年にはその差は890ptまで開いた。
2016年女子世界ナインボール選手権にて
今年の河原は、1月の関西オープン、全日本女子プロツアー第2戦、第3戦とツアー2連勝を挟み、10月の北陸オープンでランキング現在2位(当時3位)
栗林美幸を制して4つの優勝を果たしている。栗林に480ptの差をつけ堂々のランク1位だ。
北陸オープンにて 冷静的確なプレースタイルときれいなフォームは崩れることがない
全日本選手権に関すれば、河原の最高成績は準優勝。'13年は
梶谷景美に7-9、'15年は韓国の子魔女こと
金佳映に2-9、世界選手権準優勝を果たした'16年は中国の陳禾耘に8-9のヒルヒルの末敗れ、国内最高峰、世界最高峰のそれぞれを準優勝で終えた。優勝数1つと成績が奮わなかった(?)昨年の全日本はベスト16で韓国の林潤美に敗れ敗退した。国内既存の公式戦で制覇していないのは「九州レディースオープン」と全日本のみ。エース河原の公式戦全クリアが見たい。
写真提供/
On the hill!・Alison Chang (Taiwanese Passion for Pool)