RANKING #1大井直幸
『第51回全日本選手権大会「寬仁親王牌」』のステージ2は、いよいよ21日にスタート。ここまで日本で唯一のSG1クラス、国内のみならず海外からもワールドクラスの選手が多数参戦する日本最大の大会で活躍が期待されるJPBAランキングトップ5の紹介をしてきたが、今日が最終回。大トリはもちろん大井直幸だ。
東海グランプリでは土方隼斗を決勝で下してシーズン4勝目を挙げた
10月時点のptは2480と2位以下を突き放しており、年間MVPの最有力候補だ。'06年にプロ1年目でのランキング1位という快挙を成し遂げると、それ以降も年間MVPを5回受賞している。圧倒的なシュート力とプレースピードからショットガンという異名でも知られ、昨年には『ワールドゲームズ』で銅メダルを獲得。『ワールドプールマスターズ』では持ち前の陽気さを発揮した英語インタビューが世界中で取り上げられ、ビリヤード以外でも多くのファンを惹き付けた。
今シーズンの成績は『東日本グランプリ第1・2・3戦』『東海グランプリ』『2018密雲ナインボールインターナショナル選手権』優勝、『ジャパンオープン』『東日本グランプリ第4戦』『北陸オープン』準優勝など。これまでの『全日本選手権』の最高成績は'14年の準優勝。
張榮麟戦はギャラリーも固唾を飲んで見守っていた
'14年はベスト16でこの年の『ジャパンオープン』覇者の
アントニオ・リニング(フィリピン)を、ベスト8で'13年選手権準優勝者の
張榮麟(台湾)、ベスト4でこの年の『チャイナオープン』優勝者の張玉龍と、ワールドクラスという言葉が似合う選手達をことごとく打ち負かし決勝まで勝ち進んだ。特にベスト8の張榮麟戦では大井のシュート力と張の全てにおいて高水準のプレーに会場中が2人の勝負を見守った。勝負は10-10のヒルヒルにまで持ち込まれる程の大激戦となり、迎えた最終ラック。それまで高いセーフティ力を発揮していた張が痛恨のファウルを犯し、これにより11?10で大井が見事に準決勝に進出した。この試合は大会のベストバウトとなった。
2014年・準優勝。世界の選手達と互角に渡り合った
決勝ではフィリピンの新星レイモンド・ファロンに敗れ初優勝とはならなかった。あれから4年が経ち、それまで以上に多くの海外戦に参戦し心身ともにレベルアップを図っている大井。遂に今年の9月、『2018密雲ナインボールインターナショナル選手権』にて待望の海外戦初タイトルを獲得した。
当日の大井のコンディションが万全であれば悲願の『全日本選手権』奪還のまたとない機会となるだろう。今年もフィリピン・台湾勢を中心にアメリカ・ヨーロッパからも有名選手がズラリと参戦するこの大会だが、大井もワールドクラスの選手の1人として大会を存分に盛り上げてもらいたい。