大阪にはビリヤードを嗜む社交倶楽部が複数ある。ビリヤードといってもポケットではなく昔から日本で親しまれてきた四ツ球やボークラインといったキャロムビリヤードが主だ。大阪では社交倶楽部同士が昔から交流戦を続けていて、その社交界のつながりが1つの四ツ球文化になっている。
今回撞球部を招待したのは一般社団法人清交社。その歴史を大正時代に遡る由緒ある社交倶楽部で現在は大阪・堂島のクラウンプラザホテルに拠点を構える。建物の地階には「撞球室」があり、キャロム中台3台、大台1台を所有する。ホテルの地階に自分達のビリヤード場。ビリヤードプレイヤーにとっては夢のような話だが社交倶楽部は原則として会員以外は入ることはできず、清交社もその例に漏れない。しかし、「山梨大学撞球部創設に当たって、ぜひ特別に記念対抗戦を企画していただけないか」という撞球部からのオファーに清交社撞球部が「同好の士」として今回限り特例で応える形で対抗試合が実現した。
普段は入ることができない社交倶楽部で若干緊張気味の撞球部の面々
2日間撞球部が清交社を訪れたうち、初日は撞球室を借りて、普段は「プールホールGR」でプレーしている西田佳映さんに四つ球のルールやマナー、フォームなどを指導してもらった。「プールホールGR」オーナーの江辺公昭プロ(JPBF)の弟子として「全日本四ツ球レディース選手権」で3位入賞経験もあるアマチュアだ。普段、清交社撞球部でコーチをしている江辺プロとの縁で、学生達と年齢の近い近い西田さんが特別に指導する事になった。
「ダイレクトキャロムの競技人口が減少傾向の今、熟練の撞き手が長年の感覚で積み上げた技術を教わるのも非常に重要なのですが、経験の浅い学生にとっては西田さんのように年の近い指導者に理論で教えてもらうのはたいへん分かりやすかったように思います。」と撞球部の杉山顧問。「姿勢の良い方で、ビリヤードのフォームもとてもきれい。きれいなフォームだから、ちゃんと狙えるというのは西田さんのプレーを見て学生達はすぐに感じ取ったようで、スタンスやフォームといった基礎の部分はだいぶ刺激になったようです。」特訓を受け、翌日の試合へと士気を高めた部員達。気になる試合の結果は......
天井がきれいな撞球室。大台も含め全台を使って練習した