第17回全国アマチュア都道府県選手権大会(ポケットの部)
会場となったリバプール勝田
一昨日から2日間にわたって開催されていた『第17回全国アマチュア都道府県選手権大会』は、それぞれの優勝者を決めて幕を下ろした。遠方からの参加者たちは移動も大変だったと予想されるが、初めて訪れた地で再会するライバルとの親交を深めるなど、有意義に過ごしていた様子。同様に県代表ごとに行動するケースが多く、クラスの枠を超えた交流も多く見受けられた。それでは各クラスの試合結果を簡単に振り返ってみよう。
【A級の部】
群馬県代表のの米田允久が、超のつく実力者たちを次々となぎ倒して、第17代目のチャンピオンとして名を刻んだ。
優勝を決めガッツポーズを見せる米田
米田は決勝シングルとなるベスト32以降、激戦に次ぐ激戦を制して勝ち上がると、準決勝では2014-16年に本大会で大会三連覇を達成した愛知の島田隆嗣も破ると、決勝戦でも四国の名手として名を馳せる玉登新也も下しての戴冠。ビリヤードへの情熱で優勝を掴んだ彼の経歴について少し紹介をすると、「ビリヤードに関わる仕事を続けたい」と、キューメーカーである株式会社三木(富岡市)へ転職を果たして生まれ育った大阪を離れ家族で群馬県へ移り住んだほど。「仕事がメインで決して球を撞くためではありません」という言葉も本人の名誉のためここに。なお3位には島田と九州の実力派として知られる安藤正樹(長崎)が入賞を果たした。
左から3位タイ・島田隆嗣(愛知)、優勝・米田允久(群馬)、2位・玉登新也(徳島)、安藤正樹(長崎)
【B級の部】
優勝したのは滋賀県代表の安河内拓也。決勝日の5試合で得点20に対して失点が2という、完璧な試合運びで圧倒。だがキャリアはまだ浅く、福岡でJPAが始動した約3年前に初心者として参加したことがビリヤード人生のスタートで、今春に就職で滋賀県へ移り住み、その家の近くに2004年に本大会A級の部で優勝した早川徹氏(今回も同行)が経営するお店があったことで出場が叶ったという経歴の23歳。決勝戦では、キャリアも実力も備えることで知られる埼玉の佐生雅彦を相手にも臆することなく堂々のプレーをして、卒業式を最高の形で飾ることとなった。そして銅メダルは冨繁学(大阪)と太田宏之(群馬)が獲得した。
左から3位タイ・太田宏之(群馬)、優勝・安河内拓也(滋賀)、2位・佐生雅彦(埼玉)、冨繁学(大阪)
【L級の部】
女子級の部では、今大会で大記録が樹立された。千葉の佐原弘子が、アマチュアポケット女子の全国タイトル4つの中で、唯一つ獲り残していた本大会を制覇して、史上初の全タイトル保持者となり、アマチュア女子ポケット界のグランドスラムを達成。
佐原弘子
惜しくも準優勝に終わった北海道の川村美穂は、大会を通じて競り勝つ強さを見せていたが、決勝戦では先取点を取って以降、ゲームを主導することは叶わず銀メダルに。銅メダルは3年前の本大会チャンピオンであり4大会中3つのタイトルを持つ米田理沙、さらにこれらの有名選手たちに交じって、歴2年の19歳、渡辺愛子(京都)がメダルをかけて並ぶという快挙も。
左から3位タイ・渡辺愛子(京都)、優勝・佐原弘子(千葉)、2位・川村美穂(北海道)、米田理沙(神奈川)
表彰式では主催する日本ビリヤード協会の東仙明彦事務局長から、各クラスの入賞選手者たちに賞状とメダルが授与され、「来年の鹿児島でまた会いましょう」の言葉で締めくくられて午後5時を前に散会となった。こうして埼玉県から始まったこの通称・国体記念大会。今年の閉幕を境に茨城から鹿児島へとバトンが渡された。
試合の全結果などは大会公式サイトでご覧いただけます。
https://www.facebook.com/ibarakibilliard/
各クラス優勝、左からA級の部・米田允久、女子級の部・佐原弘子、B級の部・安河内拓也
By Akira TAKATA