東日本グランプリ第4戦@ビリヤード ニッカ
2016年以来の東日本グランプリ2勝目を飾った青木
今年3月の開幕戦以来、大井直幸が3連続優勝を飾っている東日本グランプリ。その第4戦の決勝トーナメントが、グランプリ初開催となる東京・五反田の『ビリヤード ニッカ』を会場に開催された。
会場となった『ビリヤード ニッカ』
今大会では第1戦、第2戦で大井と優勝を争ったJPBAランキング2位(6月末時点)の
栗林達がアジア選手権出場のために不在、さらに第3戦で優勝をかけ激闘を繰り広げた
土方隼斗が予選で敗れて姿を見せることはなかったが、JPBAランキング4位の
羅立文、ナインボール世界選手権タイトルを持つ
赤狩山幸男、
高橋邦彦、開催店シードで登場の
早瀬優治を始めとした東日本のトップ勢が集い、ナインボール、8ラック先取、勝者ブレイクのフォーマットで激しいバトルを展開した。
3位タイ・赤狩山幸男
大井の4連勝なるかが焦点となったトーナメント、1回戦、準々決勝と危なげなく勝ち上がってきた大井と並び大会の主役に躍り出たのが、先ごろ愛娘が誕生し、父親となったばかりの青木亮二だった。
青木は初戦で東北代表の
千葉達を下すと、準々決勝ではこの東日本グランプリでもハイアベレージな成績を残している小宮鐘之介アマと対戦。大量リードから激しく追い上げられる苦しい展開の試合を8-6でものにすると、
塙圭介、
小寺裕史を1点、3点に抑えて頭一つ抜けたプレーを見せていた大井と激突。
青木は闘志を胸に大井戦に臨んだ
「お前に死兆星を見せるのは俺や」。試合前にこうフラグを立てて臨んだ青木は、その言葉通りにまずはスタートダッシュを決めて3-0。しかし小寺戦でも0-3から8連取で上がり切った大井が、ここからスピーディにポイントを重ねてあっさり3-5と逆転。ゲームはこのまま大井ペースで進むかに見えた。
3位タイ・大井直幸
しかし、準決勝後半は大井の第9ラックでの、5番ボールに蹴られてのブレイクスクラッチをきっかけに混戦の様相となり、青木が追い上げを計る中、双方にここまでのゲームでは見られなかったミスも出て、試合は膠着状態のまま6-6となる。ここで先に7-6リーチのチャンスを得たのは大井。しかし取り切りが見えていた6番をミスして青木にポイントを献上してしまう。
最終となった第14ラック、青木はハードに割ったブレイクから渾身のマスワリでフィニッシュし、大井に今年の東日本グランプリ初黒星を付けるとともに、東日本移籍後初優勝となった一昨年の東日本グランプリ第5戦以来の優勝に王手をかけた。
青木と決勝を戦ったのは、準々決勝の
松村学戦は6連続マスワリで圧倒して8-1。準決勝では8-0で赤狩山を完封するなど、ブレイクを含めたショットの全てで一番のプレーを見せていた羅。この日の精度と安定度から見て羅の優勢かと思われた決勝戦は、ともにブレイクがなかなか決まらずジリジリとした展開のままついに7-7のヒルヒルとなる。
準優勝・羅立文
追い付いた青木のブレイクターンの第15ラック、青木の2番ミスでチャンスを得た羅だったが、これを活かせず勝負は5番を巡るセーフティ戦に。そして羅の2度目のショットが決まらずシュートはあるものの難しい形が残された。時間をかけて配置を確認した青木が、ここで渾身のシュート&ポジションを決めそのままランアウトを果たし、長い一日は決着の時を迎えた。
父親となって初勝利の青木。後半戦の活躍にも期待がかかる
苦しい場面を幾度も迎えながら、集中力を切らすことなく立ち向かい続けたプレーが呼び込んだとも言える、最大にして最高のチャンスを逃さなかった青木。手にした今季初勝利と東日本グランプリ2勝目は、シーズン後半戦への大きな弾みとなることだろう。
なお、青木vs大井、青木vs羅の熱戦は近日
CBNTで配信予定ですのでお楽しみに。