海外勢情報 中間報告
ジャパン・オープン。名前の通り「日本」のオープン戦、全国からアマチュア・プロ選手達が集まるがそれだけではない。海外から多数のプロ達、そして強豪アマチュア達がステータスと賞金を狙いにやってくる。
30年史で紹介してきたように、JOの大トリを飾るのは海外プレイヤーであることが多い。2017年の決勝は、
張栄麟 vs
大井直幸、
平口結貴 vs 范育?と男女とも日本と台湾の対決だったし、2004年から2012年まで男子の優勝はずっと海外選手だった。大会にエントリーする日本勢と海外勢の数の差を見れば、彼らのレベルの高さは明らかだ。今回のカウントダウンはそんな海外勢に注目してみる。
今年のJOもエントリーが始まり、参加選手達の名前が挙がってきた。6月29日(金)の時点で出場が決定している海外選手は男子15名、女子は5名だ。
まずは女子。お隣韓国からKim Bogeon、Yang Hyehyeonの2名がエントリーしている。中国からは、世界ランク4位の
韓雨がJO参戦の予定だったが、残念ながらエントリーを取り消している。
韓国のキムは昨年の第50回全日本選手権にも出場しベスト32に入賞していた
また、さらにそのお隣台湾からは、大眼妹こと
周?妤、そして同じく台湾から陳佳樺と郭思廷もエントリーしている。特に2000年生まれの陳と1994年生まれの郭に若手2人はこの2、3年JO上位陣の常連になっている。昨年はそれぞれベスト16、一昨年の郭はベスト8、そして陳は準優勝を果たしている。今年3月に開催されたアムウェイ女子世界9ボールオープンでそれぞれベスト16、ベスト8に入賞している2人。今年も上位に上がってくると予想できる。
台湾の3名。左から、陳佳樺、周?妤、郭思廷
男子は、例年通りフィリピン、台湾そして中国からのエントリーが多い。フィリピン勢は現在WPAの世界ランキング1位の
カルロ・ビアドを筆頭に、JOでも馴染みのあるトッププロら5名がエントリーしている。バンバンの愛称で親しまれる
リー・バン・コルテッザ、日本を拠点に活動する
アントニオ・リニングとラミル・ガレゴ、2012年以来度々JOに出場、決勝に進出しているラミエル・モルタ、そして若手有望株として成績を伸ばしているジェフリー・イグナシオだ。ビリヤード大国フィリピンの選手達の強さは言うまでもないが、この5名中JO優勝の経験があるのはなんと3名、国際タイトルは若手のイグナシオ、モルタを除く4名が制覇している。この5名も決勝日まで勝ち進む可能性が非常に高い。
フィリピン、ブラックお似合いトリオ。左からビアド、コルテッザ、イグナシオ
台湾からは、WPAランク5位の
鄭?軒、9位の?坤霖らが出場する。鄭は2015年に世界で最もタフと言われるオープン戦、USオープンを制覇する快挙を成し遂げている。
?坤霖は昨年のJOでも最終日に進出、優勝した同胞・張栄麟に準決勝で敗れるも、
土方隼斗、アントニオ・リニングを倒して3位タイに入賞している。
そして今年、アメリカからは「スコーピオン」がやってくる。
ジョニー・アーチャーだ。1992年と1997年の2度、世界選手権で優勝し、90年代から00年代にかけて多くのファンを魅了したアメリカのエースプレイヤーである。スコーピオンのブレイクキューシリーズは、アーチャーのパワフルなブレイクに耐えうるように共同開発で完成したものだ。それ程全盛期の彼は強く、パワフルでビリヤード界のシンボリックプレイヤーだった。今年で50歳になるアーチャー。どんなプレーを見せてくれるのか注目が集まること間違いないだろう。
最終的な顔ぶれはエントリー締め切りの7月2日まではわからないが、出場が確定している海外勢だけでも見応え十分のプレーを展開してくれるはずだ。派手だったり、お茶目だったり、海外から参戦する多数の選手達の、日本の選手達とはまた違ったプレースタイルとキャラクターを目にすることができるのもJOの魅力の1つだ。最終的にどんな名前がボードに並ぶのか、エントリー締め切り後にまたお伝えしたい。