ヒルヒル戦はジェットコースター!
CBNTで現在も配信されているJOの過去動画の中から、ビリヤードの面白さが詰まったシーンをピックアップして、昨日からお届けしている『動画で見るJO』。
昨日の動画でトッププロ同士のテンボールの試合がどんなものかが何となくわかったところで、今日はトーナメントで最も白熱するシーンの一つ『ヒルヒル』の戦いをご覧いただくことにしましょう。
2016年大会の準々決勝で激闘を演じた大井直幸
『ヒルヒル』という言葉は、簡単に言えば両者とも後1ラック取れば勝ちの状態にいること、つまり9ラック先取の試合なら8-8の状況を指す、ビリヤードならではの用語です。とにかく手に汗握る激戦のクライマックスだということですね。
下で紹介している動画は、2016年の『第29回ジャパンオープン男子テンボール』準々決勝、
大井直幸vs楊清順の第13ラックから第17ラックです。競技種目はテンボールで、この年は9ラック先取、勝者ブレイクというフォーマットでした。
鬼気迫るプレーを見せた台湾の楊清順
ともに朝イチのベスト16戦に勝って、体もほぐれ、コンディションにも慣れてきた準々決勝。日本期待の大井直幸と、久々に日本のファンの前に登場した台湾のトップスターの1人、ヤン様こと楊清順の好カードが実現しました。
試合は第1ラックでの楊のミスで先制した大井がそこから3連続マスワリで一気に4-0。続く2ラックを取り返された大井でしたが、その後も順調にポイントを重ね、第12ラックを取って8-4とリーチをかけます。勝利がかかった第13ラック、このブレイクが決まればという場面からご覧ください。
1回のブレイクノーインから一気に追いついた楊。決して楽な配置ばかりではなく、外せば負けという状況の中で入れ続けるショット力と精神力はさすがの一言。また、痺れる最終ラックをしっかりとものにした大井もグレイトという、勝者ブレイクならではのスリリングな試合でした。今年も間違いなく、こんな好ゲームがたくさん繰り広げられることでしょう。