界敦康の連覇を阻み5度目のタイトルを獲得した新井達雄
5月5日(土・祝)、東京・成増の『成増アクトホール』にて、『第75回全日本スリークッション選手権大会』が大会最終日を迎えた。この日は決勝トーナメントベスト8よりスタート。試合は全て40点ゲームにて行われた。
この中でまず、決勝戦へと駒を進めたのが連覇を狙う界。衰え知らずの爆発力で終盤に追い上げて32-32とした島田だったが、界も最後に8点を撞き切る見事なプレーを披露した。
攻撃力の高さに定評のある界と、全ての面でバランス感覚に優れたプレーを見せるベテランの新井。本年の全日本チャンピオンを決める戦いは界のサーブからスタートした。
序盤は互いに大きなランはなく静かなスタートとなったが、中盤に大きくリードを取ったのは新井。11-11の16イニング目でまずは7点ランで界を引き離した。界も途中で1点差まで詰め寄ったが大事な場面で攻め手がつながらず、最後まで新井の先行を許すことになる。32イニング目に40-35とした新井が5度目の全日本選手権優勝を果たした。
大会ベスト8。後列左から5位タイの神原正嵩、森雄介、小野寺健容(以上JPBF)、北浦昭博(アマ)。前列左から、3位タイ・梅田、優勝・新井、準優勝・界、3位タイ・島田
今月で還暦を迎える新井だが、今回の結果からも明らかなように国内トッププレイヤーの地位は揺るぎない。技術を備え、勝ち方を知る大ベテランがこれからも日本のスリークッション界を牽引していくことだろう。ただし、本年はベスト4全員が歴代全日本選手権者だっただけに世代交代を進める、新たなスターの登場にも今後は期待したいところだ。