東日本グランプリ第1戦@Link西川口店
大井は今季初勝利、そしてGPE初優勝
今年は昨年から1試合増えて全8戦が予定されている『東日本グランプリ』(GPE)。3月11日(日)、その開幕戦となる第1戦の決勝トーナメントが、埼玉県川口市の『Link西川口店』を会場に開催された。
会場となった『Link西川口店』
9年振りに東日本に帰ってきた
大井直幸、GPEのトップランカーとして昨年の最終戦からの連勝を狙う
栗林達と抜群の安定感を誇る
羅立文の他、女子プロとしてこの舞台に初めて立つ事となった
平口結貴、さらには
高橋邦彦、
西尾祐、松野剛明、
鈴木清司といった東日本のベテラン勢も含め、開幕戦に相応しい顔触れがそろったこの日。朝早くから訪れた大勢のギャラリーを前に、16名がテンボール、8ラック先取のフォーマットで見応えのある戦いを展開した。
注目の対戦は大井が5-0とスタートダッシュ
まず朝イチのベスト16戦で最も注目を集めたのが大井vs平口の一戦。開会式での抽選で見事に大井の横を引き当てた平口の「持ってる」度合いも相当なものだったが、試合でも平口が、2017年の男子MVPを相手に全く臆することなく力を存分に発揮。序盤から0-5と一気に走られた平口だったが、4連取で4-5と追撃。ここから大井が2点を追加して7-4リーチとしてからも平口は動じることなく反撃。
平口は持てる力を十分に発揮して大井と競り合った
6-7と2点を返して迎えた第14ラックのブレイク後に1番セーフティ。大井がクッションから1番を狙いにいった残り球を入れて2番へ。視界は良好、遂にヒルヒルかと思われた場面だったが、ここで平口が痛恨のシュートミス。2番は隠れたものの、大井の絶妙なキックセーフティで形勢逆転となり、結果は8-6。ギャラリーだけでなく、対戦を見守っていた多くの男子プロ達にも大きなインパクトを残して、平口の進撃は終了となった。
3位タイ・西尾祐
様々な意味で難敵であった平口とのゲームに勝った大井は、ここからトップギアでトーナメントを走り抜ける。ベスト8戦では
東條紘典を8-1と圧倒し、準決勝では西尾と対戦。西尾はベスト16戦で高橋とのヒルヒル戦を制し、準々決勝では開催店シードとしてホームの声援を背に、いつもながらのガッツ溢れるプレーを見せていた
井上浩平を下してのベスト4進出。準決勝でも中盤まで粘り強く戦ったが、勝負どころでのミスを逃さなかった大井が8-3で勝利して決勝へ進んだ。
3位タイ・羅立文
もう一方の山から決勝に勝ち上がってきたのは栗林。初戦から
有田秀彰、小宮鐘之介(アマ)を下した栗林は、準決勝で羅と対決。相変わらずの正確無比なプレーを見せる羅にリードを許す展開となって先にリーチをかけられたが、上がり際に羅が犯した一つのポジションミスを捉えてここから一気に逆転勝利。この日のベストバウトとも言える死闘の末に、2年連続となる開幕戦勝利へあと一つと迫った。
準優勝・栗林達
激戦が予想された決勝戦。しかし、この試合に限って言えば「格の違い」を感じさせるほどの大井の独壇場となった。ラックの要所をことごとく捉えていく大井のショット。テーブル上はもちろん、会場の空気を含めてゲームを完全に支配した大井に対して、栗林は抗う術を持たなかった。9年振りとなったGPEの舞台で、大井はトップランカーが揃う中、改めて日本一の決定力を見せ付けて今季初勝利、そしてプロ12年目でのGPE初制覇を達成した。
大会入賞者。ベストアマは昨年のアマMVPの浅香雅人(右端)が獲得
GPEの第2戦は4月8日(日)、舞台は初開催となる埼玉県さいたま市の『自遊空間アクティブ西浦和店』。優勝者シードで登場する大井のプレーはもちろんだが、いきなり後塵を拝することになったトップ勢、さらには再びこの舞台に登場することが決まっている平口の戦いなど、GPEのドラマは序盤から見逃せない展開となってきた。