2018 関西オープン
左から優勝の栗林達、河原千尋
1月27、28(土・日)の両日、大阪を舞台に『関西オープン』が開催された。決勝会場はおなじみ『
玉出ビリヤードACE』(大阪市西成区)。予選は大阪府下の複数店舗を用いて行われ、決勝日は男子16名、女子8名の精鋭たちが頂点を目指して集結した。
まず昨年の覇者である
大井直幸は体調不良のため無念の欠場。同じく女子のディフェンディングチャンピオン・
栗林美幸も決勝日(ベスト8)に残れず、2人が揃っていない関西オープン決勝日は「波乱」と表してよいだろう。しかし、大会結果は波乱とならず、蓋を開けてみれば、本命格が昇りつめる結果となった。
ベスト16からスタートした男子決勝日は、左の山から
栗林達、
羅立文が、右の山から
杉原匡と
飯間智也が勝ち上がり、準決勝は東西グランプリ決勝さながらの対戦に。ここで栗林が9-4、杉原が9-1と差をつけてそれぞれ決勝へ進む。序盤、2-2のスタートから5-2とリードを奪った栗林が、中盤以降追いすがる杉原を、盤石のプレーで振り切り、9-5のスコアでシーズン開幕戦優勝を飾った。
栗林達
杉原匡
一方ベスト8から始まった女子決勝日は、
河原千尋ー
野内麻聖美、
夕川景子ー
平口結貴の東西カードの準決勝となり、ここはランキング上位である河原と平口がそれぞれ7-5、7-3のスコアで勝ち上がり、不動のトップ河原と最強の二十歳の初ファイナルカードに。中盤でマスワリ3連発で4-2と逆転を果たした平口であったが、冷静な河原が堅い攻守を織り交ぜ3連取で再逆転。平口もひとつ返すが、河原が土壇場で真価を発揮する渾身のプレーで自身5度目(大会最多タイ)となる優勝を決めた。
河原千尋
平口結貴
表彰式後にコメントを求めると「ワンショットの結果に揺れることなく、ステップアップするためのプレーをすることができた」(栗林)、「練習通りに自信を持って決めたショットをすること、という意識を貫くことができた」(河原)と、それぞれ最高の結果に対する根拠を振り返り、同時にこの大会がそれぞれにとって「通過点」であるというスタンスを感じさせた。王者たちは今後も日々成長を続けていくに違いない。
新天地【(株)TMY】に移り、確実に強くなっている栗林達
また最後に敗れた杉原は「栗林君はすべてで自分を上回っていた。もっとファイナルの経験を積んでいきたい」、平口は「自信を持って、テンションを張り詰めすぎないこと。という目標を持ってこの試合に臨みましたが、ファイナルではそれを貫けなかったので、今後の課題として取り組みます」と、こちらも先を見据えた言葉を紡いだ。
こうしたコメントをつなぎ合わせると、国内トップ勢が更なる進化を見据えた意識を共通して備えていることが窺えた。今シーズンの上位グループはさらに強くなっていくと予感させる。ちなみに河原は「かなり嬉しい優勝です」と珍しく声を弾ませていた。自身も期待をかける若手との初ファイナルという喜び半分、負けられない重圧半分といった様子で、そこを凌いで地元のファンの目前で得た収穫は大きかったに違いない。
地元優勝にガッツポーズの河原千尋
ちなみに、栗林と河原は2011年にも揃ってこの大会を制している。あれから7年。両者ともに当時とは比較にならないほどの強さを纏っている。そう考えると、当時もまた"過程"であったのだと気づかされた。
左から男子ベストアマ・矢野創一(バン)、3位タイ・飯間智也、羅立文、準優勝・杉原匡、優勝・栗林達、女子優勝・河原千尋、準優勝・平口結貴、3位タイ・夕川景子、野内麻聖美
男女決勝の模様は
CBNTで配信予定です。どうぞお楽しみに!
By Akira TAKATA