CAROM30周年記念イベント
前夜祭に参加したみんなで記念撮影
福井市は、海の幸、山の幸に恵まれた人口26万5千人の福井県庁所在地。
ここにビリヤード場『
CAROM』がある。オーナーの道川浩氏は、『大御所』の異名を持つベテラン名プレイヤーとして知られる存在だ。同店ではこれまでに数々の名選手を育てた実績があるが、その筆頭は
栗林達プロで間違いないだろう。
この『CAROM』を舞台に12月23日(土)、24日(日)の2日間にわたり東西の代表的なプロを招いて、同店30周年を記念するイベントが行われた。これは発起人の片岡常男氏の呼びかけに呼応した計5名の常連客が、『CAROM』とビリヤードへの感謝の気持ちで、次世代を盛り上げるためにハイレベルな球を見る機会を用意したい」という主旨のもと費用を分担して実現したもの。
イベントに参加したプロは、
大井直幸、
羅立文、
竹中寛、栗林達、
北谷好宏、
川端聡、
浜田翔介、
高野智央の8名(2017年ランキング順)。いずれも国内タイトルを持ち海外経験も有するトッププロばかりだ。「これだけのメンバーが集まってくれたのは道川さんとクリ(栗林プロの愛称)の顔と人脈があってのこと」と片岡氏らの予想を上回る豪華な布陣となった。
参加したプロ8名とCAROM店主の道川浩氏(中央)
メインイベントは24日のトーナメント(テンボール7先)で、事前に行われた店内予選を通過した8名とプロ8名の16名で行われた。23日は『前夜祭』と銘打って、軽食と呼ぶには豪華な飲食もついたチャレンジマッチイベントを開いて計29名がのべ120に及ぶ回数のチャレンジを行った。中には2人の16歳の高校生チャレンジャーもいて、「次世代」につながった感触。また2人が通う高校では、ビリヤード部創設に向けた動きもあるということ。その学校の先生もまた同店の常連客で、中学時代の栗林を教えていたこともあるというのだから驚きのつながりだ。
前夜祭では飲食もありあちらこちらに笑顔が咲いていた
高校生チャレンジャーの2人
さて、メインイベントでは安定感ひと際だった羅と栗林が予選から負けなしでファイナルへ進み、ポケットの狭いテーブルで観客を魅了するゲームを展開。中でも互いに譲らないクッションからの攻防は見守ったプロ仲間をも唸らせる内容で、取り切りの精度が上回った羅が優勝を飾った。使用したテーブルの難しさを知る常連客たちは「あのテーブルが普通に見えた」と感心しきりといった様子で、トッププロの技量の高さをあらためて知る機会に。
ファイナリストと残っていたスポンサー3名と道川氏
ここに記したことはイベントの表面でしかない。今回、イベントが実現した経緯をスポンサー組から聞くにつれ、ビリヤードが人をつなぐツールであることや、玉屋の中にある縁が人生をも変えることや、ビリヤードがいかに長く続けられる趣味であるか、といったことをあらためて強く意識する機会をいただいた。ビリヤード場の現象傾向が長年にわたり続いている状況下において、継続させる店舗運営の秘訣やビリヤード場が持つパワーなども直に見せてもらった。
日曜日の試合には地元の福井放送も取材に駆け付けた
そんな会を開催する費用を出したスポンサーの方々、企画から準備・運営に尽力されたスタッフの皆さま、そして「お店に行ってビリヤードをする」ことでCAROMを支え続けるお客様、球にトークに一芸(?)でイベントを盛り上げたプロの面々に感謝の気持ちを込めて。
Akira TAKATA