第17回スヌーカージャパンオープン アダムジャパン杯
神箸渓心、ついに国内2大タイトルを制覇
国内スヌーカー戦線のビッグトーナメント、『第17回スヌーカージャパンオープン アダムジャパン杯』が12月2日、3日(土・日)に行われた。初日は群馬の『G-Spec』、東京の『スヌーカークラブ』の2会場にわかれてベストオブ5のシングルトーナエントにてベスト32より大会がスタートした。そしてこれを勝ち抜いた4選手が日曜、東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』に集結し、準決勝からの戦いが繰り広げられた。
左から3位タイ・列漢業(香港)、優勝・神箸渓心、3位タイ・栗本高雄、準優勝・神箸久貴(JPBA)
準決勝は前日と同じくベストオブ5、決勝のみベストオブ7にて行われた。準決勝第1試合は列漢業と、JPBA所属の
神箸久貴の対決。これを3-1にて制した神箸久貴がまずファイナリストに決まった。
昨年覇者の水下広之(JPBA)を下してベスト4入りを果たした列漢業
そして準決勝第2試合は過去2度このジャパンオープンを制している栗本高雄と今年の『全日本スヌーカー選手権』で初優勝を飾った神箸渓心の対決。これをハーフセンチュリーのビッグブレイクなども出した神箸渓心が3-0で圧巻の勝利。中国へのスヌーカー留学で積み上げてきている実力がすでに国内では飛び抜けたものになりつつあることをはっきりと示したプレーぶりだった。
栗本高雄。3度目の優勝はならず
試合の合間にはかつて『J SPORTS』にて人気を集めた番組『プレミアスヌーカーリーグ』にて実況を担当していた吉田暁央アナウンサーが登場。12月10日(日)深夜にスポーツ映像配信の『DAZN』にて『スヌーカーUKチャンピオンシップ』の決勝戦が初めて日本語実況付きにて生中継が行われることのお知らせを行なった。中継終了後には1週間の録画配信も行われ、登録後最初の1ヶ月は無料視聴もできる。もちろん、無料期間での退会も可能とのことなので、日本のビリヤードファンにとってはなかなか見ることのできない貴重な実況付き映像となるので、ぜひご覧いただきたいところだ。
吉田アナウンサー
さて、決勝戦のカードは神箸久貴と神箸渓心の親子対決となった。勝てば共にこのジャパンオープン初優勝となる。まず先を走ったのは久貴だ。巧みなディフェンスで渓心のプレーをコントロールし、要所での華麗なポットで得点を重ねて一気に3フレームを連取した。
経験値の高い父・久貴
一方の渓心は準決勝とは打って変わって惜しいミスが続き、ディフェンス面でも甘さが目立った。試合後には「プレッシャーもあり、集中できていなかった」と語ったが、そこから一気呵成の逆転劇がスタートしていく。
親子対決となった決勝は激戦に
フレームを1つずつ取っていきながらポットの精度も少しずつ取り戻していく。第6フレームでは47点のブレイクも出して3-3と並んで見せた。
中国留学で付けた力を存分に発揮した息子・渓心
ファイナルフレームは久貴が先行していったが、中盤で渓心が追い付き、試合の結末はカラーボールの争いに委ねられた。そこからクッションからイエローを沈め、グリーンをダブルでポットするなどの好プレーを見せた渓心が一歩先を行く。久貴も追いすがっていったが最後に渓心がピンクをポットしたたところで、スコアは62-47に。渓心がジャパンオープン初優勝を果たした。
握手を交す神箸親子
前日には96点のビッグブレイク、3度のハーフセンチュリーを出すなど、16歳にしてもはや日本スヌーカーの大エースといっても過言ではない実力を備えてきた神箸渓心。UKチャンピオンシップをはじめとした世界一華やかな舞台で戦う将来の姿も透けて見えるようなジャパンオープンでの戦いだったのではないだろうか。さらなる活躍に日本のビリヤードファンからの視線がさらに熱くなっていく。
Masato Kitamura