左から3位タイ:吉岡正登、優勝:大井直幸、準優勝:高木悠次、3位タイ:山本武範アマ
戦こそいつも通りに1番乗りで試合を終えたが、続くベスト8では黒田祐介に0-3とスタートダッシュを決められて、一度も追い付くことなく3-6とリーチをかけられてしまうというレアな展開に。ここまでは黒田を誉めるべき内容であったが、終盤になって追い風を受けた大井が九死に一生を得る勝利を収めた。このゲームは黒田と同期である
もずっと熱心に見入っていた。
なおベスト8にアマチュア選手が3名。2人は元プロだが、1人は日本ジュニアのエースである愛知の田中汰樹。現役で活躍中のプロ3人を倒しての躍進であったが、最後は元プロ・山本武範の前にあと一歩及ばず。
さらに準決勝での大井は
と3-3までまったく優劣が見えないゲームを進める。だが吉岡の"らしくない"ミスが大井を助けた格好となり7-4のスコアで大井がファイナル進出を決めた。GP初優勝に不思議と手が届かない吉岡は、西GP連戦となる翌日へと気持ちを切り替えていた様子だった。
。ここで高木は流れを逃さず7-3のスコアで金星をあげ、自身GP3度目のベスト8で初となる準決勝進出を決めた。その相手は前述の山本。現役時代にGPで決勝戦を撞いた経験を持つだけあって、走る高木の背中を粘り強く追いかけたが追い抜くことは叶わず7-5で高木に軍配が上がった。
ホームの大井と初ファイナルの高木の決勝戦。高木にとって絶対王者のホームで戦う決勝戦というのは、きっと未体験の景色と重圧があったのではないかと予想される。2-3までスコアで追いかけたが、そこからポイントを取り続けたのは大井。「自分に対して無念の一言です」。経験値をまたひとつ高めたであろう高木はそう一言残して次へと気持ちをつないだ。そして大井は冒頭のコメント。これで今季西GPにおいて12勝1敗の勝率9割2分越えと、追随を許さない数字を残す。
が眼鏡をかけての参戦。おそらく公式戦では初めてのことだと思われるが、コンタクトレンズの装着が出来ない状態だとの情報もあり、目の早い回復が待たれる。そして翌9月24日は西GP第5戦。種目はナインボールの交互ブレイクとなる。大井の壁となる存在は出現するのか? いずれにしても、大井か否か、という状態は続きそうだ。
Akira TAKATA
※ファイナルの映像は後日