第16回全日本スヌーカー選手権大会
日本期待の神箸渓心が、遂に全日本タイトルを獲得
夏を思わせる陽気となった6月4日(日)、東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』を舞台に、『第16回全日本スヌーカー選手権大会』の決勝ラウンド最終日、準決勝2試合と決勝戦が行われた。
会場となった『ビリヤード・ロサ』
全国各地での予選を経て20名が出場した今回の全日本選手権。3日(土)に2会場に分かれて行われた、ベスト32戦から準々決勝までの決勝ラウンド初日を突破しベスト4に勝ち残ったのは、5連覇を含む大会通算7度の優勝を誇る栗本高雄(関東)を筆頭に、日本のビリヤード界が次代を担うプレイヤーとして期待する16歳の神箸渓心(中部)、そして、松村浩史(近畿)、持田真史(関東)の4名。準決勝は栗本vs松村、神箸vs持田の対戦となった。
3位タイ・持田真史
ベストオブ5(3フレーム先取)の準決勝は、第1試合、第2試合を2フレームずつ消化していく方式で戦われた。まず第1試合に登場した神箸が持田に対して2フレームを連取して好スタートを切り、さらに続くセッションでも最初のフレームを奪った神箸が3-0で自身2度目の決勝進出を果たす。
3位タイ・栗本高雄
栗本vs松村の第2試合は、最初のセッションを1-1で折り返した後、続くセッションも競り合いとなったが、松村の思い切りの良い攻めが、栗本の粘り強いプレーをやや上回る形となり、松村が2フレームを連取し3-1として、自身初の決勝戦に駒を進めた。
準優勝・松村浩史
ともに勝てば全日本初制覇となる神箸と松村の決勝戦(ベストオブ5)は、第1フレームでいきなり70点ブレイクが飛び出し、神箸が80-8と先制してスタート。しかし第2フレーム、ここからビッグブレイクかと思われた場面での神箸のミスを捉えた松村がポットを重ね、66-31としてスコアをタイにする。
初優勝へのプレッシャーが互いのショットを微妙に狂わせる場面も見られるようになってきた試合終盤。第3フレームを取って優勝へあと1フレームと迫っていた神箸にチャンスが訪れる。ジリジリとした展開となった第4フレーム、神箸は32-39とリードされた場面からグリーン、ブラウン、ブルー、ピンクをしっかりと決めて50-39。日本ビリヤード界に16歳の全日本選手権者が誕生した(大会フォトギャラリーは
コチラ)。
波はありながらも、ハイレベルなプレーを見せた
「2日間を通して70以上のブレイクも何度か出て、良いプレーができたフレームもたくさんありましたが、全くダメなフレームもありました。初優勝はもちろん嬉しいですが、反省点も多いです。やはり自分の最低ラインの底上げをもっとしっかりして、常に高いレベルでプレーできるように練習を積み重ねていきたいです」(神箸)
試合直後、このように大会の感想を語ってくれた神箸。昨年4月からの中国スヌーカー留学が一区切りついた中、今月末には再び短期で中国に渡って練習を積み、U18とU21の世界選手権にも出場する予定とのことだ。ポケット、キャロムを含め数あるビリヤード競技の中で、トッププロ達が最も華やかな舞台でプレーするスヌーカーの世界。そこでの活躍を目標に戦い続ける16歳の険しくも夢に満ちた冒険は、『全日本選手権』優勝を一つの通過点として、これからもまだまだ続いていく。