第26期球聖戦 球聖位決定戦
通算5期目となる球聖位の座に就いた喜島安広
『日本アマチュアポケットビリヤード連盟』(JAPA)が主催する、ナインボールを種目とした個人タイトル戦である『球聖戦』。その最終決戦である『球聖位決定戦』が、4月16日(日)、広島県広島市の『ビリヤードみゆき』を会場に行われた。
15日に引き続き決戦の会場となった『ビリヤードみゆき』
この舞台に立った2選手は、現球聖の大坪和史(広島)と、15日の『挑戦者決定戦』において、沖縄の宮城龍馬をセットカウント3-1で下した埼玉の喜島安広。まず大坪は、2008年の『第17期球聖戦』において自身初の球聖タイトルを獲得し、翌年の『第18期球聖戦』で大阪の村上泰辰に敗れて失位。翌2010年の『第19期球聖戦』においてその村上を破って初めて球聖位に就いたのが喜島で、以降、喜島は第20期〜第22期まで3期連続防衛を果たす。
4期目の防衛がかかった2014年の第23期球聖戦。挑戦者決定戦を制して喜島と球聖位を争ったのが大坪であった。この時2人は初めて球聖位決定戦で相見え、どちらも譲らぬ球聖戦史上最高の激闘を展開。12時間に及ぶ戦いの末に、セットカウント5-4で大坪が球聖位を奪取し、以降、第24期、第25期と連続で防衛に成功。今年の球聖位決定戦は、3期連続の防衛を目指す戦いとなっていた。
第25期球聖・大坪和史
大坪、喜島ともに球聖位の通算在位期間は4期。これは球聖戦創設から4期連続でその座にあった高橋邦彦(現JPBA)と並ぶ最長記録で、今年はどちらが勝利しても、その記録を超えることになる決定戦、つまり真の当代最強アマチュアプレイヤーを決める戦いとしても、日本中のビリヤードファンが大きな興味をもって見守る試合であった。
2人の戦いは予想通りの熱戦となった
ナインボール、交互ブレイク5セット先取(1セット7ラック先取)という球聖戦ならではのロングフォーマットで戦われた決定戦。この模様はJAPAによってライブ配信され、セットカウント4-4、最終セット6-6からの結末を見届けた者は、現地で懸命の声援を送り続けた双方の応援団はもちろん、自宅で、ビリヤード場で観戦していたファンの全てが、思わず声を上げてしまうものだったであろう。
大坪は3年連続でホームの大声援を受けて戦った
2人の戦いは、予想に違わぬ大激戦となり、最高峰バトルにふさわしいハイレベルなプレーの応酬となった。さらにアマチュアプレイヤーとして、自らが追い求めるビリヤードを貫く姿勢が、どのショットからも伝わってくるナイスゲームであった。勝負が決まったショットを含めて、あらゆる意味で、スポーツ競技としてのビリヤード、そしてナインボールというゲームの全てを表現するベストバウトとなった。
埼玉からももちろん大勢の応援団が駆け付けた
この戦いに勝利した第26期球聖の喜島は、在位通算5期という新記録と、歴史が刻まれたカップとともに地元埼玉に戻り、ここからまた新たな戦いに向かっていくだろう。惜しくもその座を失った大坪も、当代最強アマの一人として、自らのビリヤードをさらに追求しながら、日々たくさんの仲間やライバル達と球を撞き続けることだろう。
第26期球聖戦、広島の2日間の戦いは、勝者と敗者の区別なく素晴らしいものであった。そして、一人のファンとしての立場から言うなら、より多くのビリヤードファンに、現在もJAPAから配信されている彼らのプレーをその目で確かめて頂きたいと思う。
第26期球聖戦 挑戦者決定戦・球聖位決定戦