東日本グランプリ第1戦@Link西川口
左から3位タイ・井上浩平、優勝・栗林達、準優勝・照屋勝司、3位タイ・嶋野聖大
3月12日(日)、埼玉県川口市の『Link西川口』にて『東日本グランプリ第1戦』が開催された。今大会はテンボールを種目に、8ゲーム先取、勝者ブレイクというフォーマットで、前日の関東予選から12名、前戦(2016年第7戦)優勝者、開催店シード、東北予選代表、北海道予選代表それぞれ1名、合わせて16名が競った。
嶋野、上位4名枠としてのプレーをしっかり披露してベスト4入り
従来は16名が完全にランダムで引いていた抽選方式を今大会より変更。出場者の中で過去7戦のポイントランキング上位4名がベスト4までぶつかることがないように振り分けられるようになった。大会のクライマックスにトップ同士の対決となりやすい形式と言えるだろう。今回で言えば土方隼斗、羅立文、栗林達、嶋野聖大が上下左右の山に振り分けられた。
ホームの声援を受けて活躍した井上
しかしながら、ハイレベルな選手達が揃うこの東日本グランプリでは、そうランキング通りにはいかない。先述の4選手の中でベスト4まで駒を進めたのは嶋野と栗林。もう2枠のうち1枠は土方をベスト8で下した照屋勝司が、もう1枠は開催店シードとして出場してホームの声援を背負う井上浩平が獲得した。
準決勝、照屋vs嶋野は8-6で照屋が、栗林vs井上は8-5で栗林が制した。栗林は過去に何度も優勝経験を持つ正真正銘のトッププレイヤーだ。それに対して照屋は過去にJPBA公式戦のファイナルに5度挑み、5度の準優勝を果たしている。もちろん、多くのプレイヤーがファイナルまでたどり着くことなく終了することになるのだから照屋の実力がトップレベルに比肩するものだということは間違いないのだが、決勝戦が壁となっていることもまた間違いない。
照屋がついにその壁を打ち破ることができるかどうか、ギャラリーの注目が集まる中ゲームがスタート。試合は照屋が1ゲーム目のブレイクでスクラッチを犯したところから栗林が5点を先制する。しかし、そう簡単に敗れる訳にもいかない照屋も反撃する。
照屋は昨年MVPの土方もベスト8で下してファイナルに進出し、準優勝
6ゲーム目にキャノンショットで10番を沈めて1点を返すと、栗林に加点されつつも、徐々に差を詰め、栗林がリーチをかけた後にはマスワリを絡めて7-5まで迫った。徐々に追い上げムードを高めていった照屋だったが、第13ゲームで重大なミスを犯す。
東日本グランプリでは準決勝以降の全ての試合にショットクロック(40秒/1ショット、1ゲームに1回のエクステンション)が入れられる。照屋はそのゲーム、残り3球の時点で縦バンクをコール。しかしながら慎重に狙うあまりショットは40秒をオーバー。照屋はすでにエクステンションをこのゲームで1度使っていたためにショットがファウルとなってしまった。フリーボールを手にした栗林は残り3球をきっちりと取り切り、この第1戦を見事に制した。昨年の第7戦に続いての連続優勝となる。
栗林は昨年から年をまたいでのグランプリ2連続優勝となった
「調子自体はいつも通りという感じです。流れがよかったんじゃないかなと思います。2017年シーズン、『関西オープン』の結果は良くなかったですけど(予選敗退)、自身の状態はいいところに来ています。ちょっと自分のレベルが上がったような気がしてますね。来月にはニューヨークでの『ワールドエイトボールシリーズ』に参戦してきます。出られる国際大会はできる限り出ていきたいですね」(栗林)
栗林にとってはこの序盤戦、勢いに乗るきっかけともなる一戦となったかもしれない。今大会で通算100戦目の歴史を重ねてさらに面白さ、見応えも増しているこの東日本グランプリ、次戦は4月9日(日)に『Link北千住』にて。
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