10年振りの決勝進出でビッグタイトルを手にしたアルケイド
大井の行く手を阻んだ3位タイのアルビン・オーシャン
大井はバンキングに勝ったものの、ポジションミスから先行を許し、快調に得点を重ねるオーシャンに追い付くことなく、4-8で敗退となった。「30秒ショットクロックのプレッシャーは半端ない。ファーストショットだけ60秒あるといっても、エクステンションは1回しかないし、少しでもショット選択を迷うと、気持ちを決めきれないまま撞いてしまうからミスしてしまう」とは試合後の大井の言葉。
元世界チャンピオンですら負けてしまう極限のプレッシャーをはねのけて決勝に進んだのは、スペインのデイビッド・アルケイドとジェイソン・ショウ。英領ジブラルタルはどちらにとっても地元と言っていい。試合はお互いに譲らない好ゲームとなったが、昨年あたりからプール界に旋風を巻き起こして勝ちまくっているショウが先に7-6とリーチ。第14ゲーム中盤でオープンになった時はこれで勝負あったかと思われたが、ドラマはまだ続いていた。
勝利目前まであと一歩まで迫ったショウだったが......
なんとショウが6番を2度続けてミス。そして2度とも残り球は隠れたのだが、アルケイドはジャンプ一閃、サイドに6番を叩き込んでヒルヒルに。最終ゲーム、完璧なブレイクからマスワリを決め、デイビッド・アルケイドが大会初優勝を飾った。
38歳のアルケイドは21世紀になってからずっとスペインのトッププレイヤーとして活躍。09年にはポルトガルで開催された『プレデター10ボールツアー』で優勝している。マスターズでは07年にトーマス・エンゲルトに敗れて準優勝だった。10年ぶりの決勝進出で遂に掴んだビッグタイトル。熱狂的な応援団に祝福される姿は感動的だった。今後の活躍に期待したい。