全日本女子プロツアー第1戦
会場は『バネバグース宮益坂店』。メインテーブルは吹き抜けのホールに設置されている
2月19日(日)、東京都渋谷区の『バネバグース宮益坂店』にて『全日本女子プロツアー第1戦』の決勝日が行われた。試合は前日の予選日を勝ち抜いたプロ13名、アマ3名によりナインボール(ナインボール・オン・フット)、7ゲーム先取、勝者ブレイクというフォーマットで争われた。
河原千尋をベスト16で破り、3位タイ入賞の平口結貴
今大会はベスト16からトップランカーが次々に姿を消す展開となっていった。河原千尋は平口結貴に、梶谷景美は光岡純子に、栗林美幸は藤田知枝に敗れ、そして勝利した3名がそのままベスト4入りを果たした。
今年も変わらぬアベレージの高さを見せた藤田知枝
そしてベスト4の残り1枠に入ったのが、『バグース』所属でこの会場でも日頃からインストラクターとして勤務している中島美秀。ベスト16ではヒルヒルの末に工藤孝代の9番を目の前にしたスクラッチで勝利を掴むと、次戦で青木絵美を7-2で下して2010年の『オータムクイーンズオープン』以来の順位にまで到達した。
ファイナルは中島vs光岡
準決勝の対戦カードは平口vs光岡、中島vs藤田となり、その対戦を制したのがそれぞれ光岡と中島。光岡にとっては10年振りの優勝を狙う戦いとなり、中島に至ってはプロキャリア初の公式戦ファイナルを撞くことになった。
高いショット力を見せていた光岡純子
試合の進行をチェックしたファンが会場へ応援に駆け付ける中で始まったファイナルは手に汗握る試合展開となっていた。序盤では中島が1点、光岡が1点と一進一退の攻防が繰り広げられたが、まず先行したのが中島。3-2と1点リードの第6ゲーム、光岡からファウルを奪ったところで1番ー9番のコンビネーションを見事に決めてこの試合で初めて2点の差を付けた。
接戦となっても最後はしっかりと勝利をモノにしていった中島
試合の展開は中島が掴んでいるようで、このまま走り切るかとも思われたがやはり光岡も食い下がる。中島のミスを逃さなかった光岡が5-3から3連取で逆転リーチをかけた。しかし、逆に中島が光岡のミスを受けての取り切りで追い付くと最後はこの試合初めてのマスワリで締め括り、プロキャリア12年目にして初の優勝を果たした。
ホームにて、嬉しい初優勝となった
「2日間を通して調子は悪くなかったです。できることをシンプルにやろうということを心がけていたのが良かったのだと思います。普段はちびっちゃうところがあるんですけど今日は本当に楽しくできましたね。決勝戦ではミスがあっても『しょうがない。次に回ってきたら一生懸命やろう』と思って撞けました。担当店舗でもあるこのバグースで優勝できたのも嬉しいですし、まさかここで優勝できるとは。応援してくださる皆さん、スポンサーさんのおかげです。最後までドキドキさせっぱなしの展開ですみません(笑)」(中島)
この日、ヒルヒルの試合を3つもこなしての優勝だ。体力的にも精神的にも厳しい試合の連続となったはずだが、それでも粘り、最後まで諦めずに戦った中島のプレーは全観客が釘付けとなる見応えのあるものだった。この試合は後日、ビリヤードネットTV『CBNT』にて配信される予定。
左から3位タイ・藤田、準優勝とマスワリ賞(1試合で最多のマスワリを出した選手に贈られる)・光岡、優勝・中島、3位タイ・平口
また漏らさず書き記しておきたいのがこの試合が女子プロ応援ファンクラブ『Q-CLUB』と株式会社アドバンスの協賛で開催されたこと。言わば、『ファンが開いたプロトーナメント』でもあるのだ。この日も多くのファンが集まり、そしてプレイヤーも観客達に素晴らしいパフォーマンスを披露した。ファンあってのプロ、というのは当然のことだがそれが現実の形となった好例となったのではないだろう。キュークラブではこのようなトーナメント開催を今後もより多く実現できるように取り組んでいくとのことだ。
CUE'S Facebookページ アルバム『全日本女子プロツアー第1戦ー予選』
アルバム『全日本女子プロツアー第1戦ー決勝日』