23rd TOKYO OPEN 〜オープン戦への挑戦〜
後列左から、【5位タイ】島田暁夫、竹島欧、米山聡、キム・ジュンテ/前列左から【3位タイ】キム・ヒョンコン、【準優勝】界敦康、【優勝】森陽一郎、【3位タイ】鈴木剛
2月4日、5日(土・日)の2日間に渡って東京・新大久保の『ビリヤード小林』にて行われた『23rd TOKYO OPEN 〜オープン戦への挑戦〜』。韓国から参戦した選手達を含めてハイレベルな戦いが繰り広げられた末に、最後はベテラン・森陽一郎がスリークッション公式戦において7年振りとなる優勝を果たした。
9位タイ入賞でベストアマ受賞の中村正幸アマ
試合は2日間に渡る30点ゲームでのシングルトーナメント。総勢100名以上が参戦するオープン戦だ。アマチュア選手も活躍を見せ、韓国のキム・ジュヨンをベスト32で破って9位タイとなった中村正幸アマがベストアマを受賞した。
キム・ヒョンコンは界に敗れて3位タイ
ベスト4は枠順でディフェンディングチャンピオンのキム・ヒョンコン(韓国)、界敦康、森陽一郎、鈴木剛。それまで高い攻撃力を見せていたキムと界の対決は逆に互いがいき切れない展開となり、最後に僅かに先行した界が30-26(29キュー)にて決勝進出を決める。
鈴木剛、体調を崩しての参戦ながらも粘り強さを見せて3位タイ入賞
もう一方の準決勝では、安定して得点を重ねて2モアまで至った森に鈴木が7点ランで食らい付く。しかし最後までは及ばず、30-20(23キュー)にて森がファイナルへと駒を進めることになった。
大会初優勝まで一歩及ばずに準優勝となった界敦康
そして決勝戦は森のサーブからスタート。展開も味方に付けつつ、6イニング目で7点、9イニング目で8点のランも出して13イニング目で1モアまで至った。最後はあと1点を少し決めきれずにいたが、17イニング目できっちり得点し、30-19にて大会を制した。
追い上げる展開をきっちりものにして勝ち上がっていった森陽一郎
「決して大会を通して良い出来の試合ができていた訳ではないのですが、試合の肝心な部分、後半戦でちゃんと得点できたことが勝利に繋がったと思います。そして決勝は伸び伸び撞こうと思っていたので、そこで一番良いプレーができたのが嬉しいですね。もう勝つのは難しいのかな、と弱気になった時期もあったのですが息子に良いところも見せられました」(森)
1モアを当てた森は観客へと一礼しつつキューを掲げた
今大会では韓国へビリヤード留学中の息子、森雄介が久方ぶりに日本のトーナメントに参戦。雄介は間もなく韓国での練習の日々に戻ることになるが、この数少ない一時帰国のタイミングで森陽一郎が久々の結果を残した。そしてプレー振りはやはり、トップ選手のそれであることは間違いない。本人は「もう57歳」という言葉も使ったが、まだまだ57歳、というのが正しそうだ。