WORLD POOL SERIES:8-BALL Molinari Players' Championship
23歳の「ロシアン・エクスプレス」がキャリア最高のタイトルを獲得
先週14日に開幕したWPA公認の新たなプールツアーの第1戦『WORLD POOL SERIES:8-BALL Molinari Players' Championship』が最終日を迎え、ロシアのルスラン・チナコフがフィリピンのリー・バン・コルテッザを16-6で破りビッグタイトル獲得を果たした。
この日、準決勝の第1試合に登場したチナコフは、日本でもお馴染みのフィリピンのヤングガン、ヨハン・チュアと対戦。強力なブレイクと正確なシュート力を武器に6-0とロケットスタートを切ると、そのまま一気にリードを9-1に広げ、チュアの反撃を抑えて15-8で勝利し決勝進出となった。
会場の『スタインウェイビリヤード』には目の肥えた本場のファンが多数観戦に訪れた
続く準決勝の第2試合は、16日の準々決勝でJPBAから参戦した
大井直幸の行く手を阻んだフィリピンの
リー・バン・コルテッザと、今シリーズのプロモーターとして、大会運営に力を入れながらも、世界4冠の地力で勝ち上がってきたイギリスの
ダレン・アプルトンが激闘を展開。どちらも譲らぬまま14-14の同点となり、決着は今ツアー独自のルールであるシュートアウトに持ち込まれた。
フットスポットに置かれた8番ボールを5ヵ所の手球位置からシュートしていくこの痺れる戦いは4-2でコルテッザ。本場アメリカのファン、そして世界のプールシーンが注目する第1戦チャンピオンは、ロシアvsフィリピンで争われることとなった。
大会ベスト4。左から準優勝・コルテッザ、3位タイ・アプルトン、優勝・チナコフ、3位タイ・チュア
迎えた決勝戦、ここでも素晴らしいプレーを見せたのはチナコフだった。3-3となった第7ゲームでのコルテッザの8番ボールのミスから、ブレイク、シュート、戦略が全て噛み合ったプレーで12-4までリードを広げると、準決勝第2試合で3時間半以上のハイプレッシャーゲームを戦かった疲れからか、コルテッザはここから2点を返すにとどまり、16-4で勝負は決着。「ロシアン・エクスプレス」のニックネームを持つ23歳が、13歳からスタートしたツアーキャリア最高のタイトルをその手にした。
プロモーター・アプルトンの手腕やいかに。第2戦以降もWPSに注目だ
真のトッププレイヤーが、実力を試される厳しいフォーマットで競い合うことで、プロスポーツとしてのプールのステータスを上げながらツアーを成長させていくこと。プロモーターのアプルトンがこれを大きな目標の一つとしてしている『WORLD POOL SERIES:8-BALL 』の第2戦『ARAMITH MASTERS CHAMPIONSHIP』は、第1戦と同じくニューヨークの『スタインウェイビリヤード』を会場に4月4日〜7日に開催される予定だ。
写真提供:WPS(Photos by JP Parmentier)