第30回東海オープン
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島田は11月の『全日本アマローテ』に続きタイトルを獲得
12月18日(日)に『東海オープン』が59名の参加者を迎えて名古屋市で開催された。この大会はNBA中部支部が主催し、運営等を『中部マッチルーム』が担うオープン戦。東海地区のプロアマに出場資格が与えられており、今年の参加者の内訳は男子プロ7名、女子プロ2名、男子アマ45名、女子アマ5名となった。
今年で30回目を迎えるこの大会は、『中部選手権』という大会を前身に持ち『中部オープン』という名称で第1回大会が開催されたとされ、2008年以降はNBA中部、JPBA東海支部、東海ポケットビリヤード連盟(JAPA東海支部)が連携して大会運営を行う目的で設立された『中部マッチルーム』が開催・運営を取り仕切っている。
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予選会場となった『春岡クラブ2』
この『中部マッチルーム』はポケットのプロとアマが協力・連携して形成するもので、東海地区独自の発想によるもの。これは自由な発想で制約を設けず東海地区の競技界を発展させることを目的としていて、役職を最小限しか設けず、また会自体が権限や責任を負わないことや会の存続自体を目的としないなどの取り定めによって、東海地区のローカル大会運営をスムーズに機能させている。
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予選・決勝会場となった『マーシー』
さて、大会に話を戻すと、フォーマットはナインボールの勝者ブレイク。ゲームにおけるハンディはなく、クラスに応じたエントリーフィーに差を付けて、『春岡クラブ2』(名古屋市天白区)も併用して行われた予選は6ラック(敗者側は5ラック)先取で、16名が『マーシー』(同)に集結した決勝シングル以降は7ラック先取。
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3位タイ・和田敏幸(JPBA)
ベスト16に残ったプレイヤーの内訳は、男子プロが5名、男子アマが10名、そして女子プロからも
稲川名保美が1人残って地力の高さを示した。トーナメントは順調に進み、準決勝のカードは
和田敏幸vs島田隆嗣、小川晃vs
所勘治と、いずれも東海を代表するプロアマ対決に。ここで島田と小川がARC(愛知ローテーションクラブ)の主力格として意地を見せて、揃って本大会優勝経験を持ち、また同会のOBである実力派のプロを破って決勝進出を決めた。
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3位タイ・所勘治(JPBA)
決勝戦でも両選手が安定感あるショットでランアウトの応酬を披露。しかし島田の勢いが小川のプレーに小さな綻びを誘ったのか、安定感で上回った島田が7-5のスコアで勝利を収めて、先月に名古屋で開催された『全日本アマローテ』に続くタイトルを手中に収めた。『京都オープン』や『えひめ国体記念大会』でも優勝している島田は、なんと今年10個目のタイトル奪取(全国および東海地区の大小公式戦含む)。
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準優勝・小川晃(ARC)
表彰式後に島田は、「本当にラッキーでした。今年はツキもあって、最後(の大会)にも勝てて良い年だったと思います」と笑顔で大会初優勝と今年一年のタイトルがキリよく二桁に到達したことを喜んだ。生粋のサラリーマンにしてARC理事長という要職をこなしながら偉大な戦績を残す島田はまさにアマチュアプレイヤーの鑑。いずれ機会を見て上達の秘訣などに迫ってみたい。
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共にARCに所属してビリヤードをプレーする島田夫妻
こうして地元・愛知のアマチュアのエースが優勝を飾った第30回という節目の大会。今後も時代に即した大会として形を変えながら発展していくことに期待が寄せられる。
Akira TAKATA