第2回 KANSAI14-1
山下直生はビリヤード歴4年でタイトル獲得
14-1ラックという種目の注目度が高まりアマチュアの愛好家が増えている。このような状況を反映して昨年から始まった『KANSAI14-1』。第2回目となる今年は、82名の参加者を迎えスケールアップして開催された。北海道や関東、そして愛知県など、関西圏以外からも10名が出場して、14-1が持つ可能性を示す大会となった。
決勝会場となった『玉出ビリヤードACE』
予選のダブル・イリミネーションが50点先取でシングル以降は60点先取と、決して長いゲームではないが、参加者にとっては適度なフォーマットという印象。ベスト16から『マグ・スミノエ』で通過した選手達も『玉出ビリヤードACE』へ集結し、巧者達が頂点を目指して競いあった。試合のムードはよく、試合後に配球を振り返って球談義を交わす場面多々見受けられた。この点は14-1愛好家同士ならではのものだろう。
球談義に花が咲くのも14-1というゲームの特徴
そしてベスト16の段階で大阪が9名、京都が4名、そして奈良、兵庫、神奈川が各1名という布陣に。ここで『吹田中央』(大阪)が1店舗から3名の選手を残して、「日頃から14-1をよくプレーしている」(関係者)親しみなれた種目への強さを示した。さらに2回転をこなした準決勝の組み合わせは以下の通りに。山下直生(京都・BUZZ)vs鈴木孝宏(神奈川・サイドナイン)、小澤利幸(大阪・吹田中央)vs小原嘉丈(大阪・SUN)。
3位タイ・鈴木孝宏
この回転では鈴木が14-1に精通する上手さを披露するも、山下がテーブル上の流れも味方につけて逆転勝利を収め、大阪対決となった小澤と小原の一戦は回を追うごとに調子が上がってきた様子の小原が快調に走って、それぞれ決勝進出を決めた。山下はKRCに、小原はORCに所属するアマチュア連盟員で、ともに『京都14-1研究会』でも活動を行う同志でもある。
3位タイ・小澤利幸
決勝戦は7イニングを終えた時点で24-20と山下が僅かにリードするも、全く互角の展開に。しかし山下が次のイニングで3ラックをまたぐ36点のランを出してゲームセット。「14-1というゲームとしては(組み立てなどができていなくて)恥ずかしい内容の1日でしたが、運勢はずっと味方してくれました。的球は入る気がしていたので攻める選択を貫けたことがよかったです」と満面の笑みでコメントをくれた。
準優勝・小原嘉丈
山下は歴4年の23歳で、一昨年には(通称)アマローテB級の部でも準優勝した経験を持つ。余談になるが、彼は京都大学の医学部に通う現役の学生でもあり、学業と練習を両立させる多忙な生活をこなしてたどり着いた栄冠だ。そんな超のつくエリートもこれほど夢中にさせるのがビリヤードという競技の奥深さ、そして14-1という種目の魅力だろう。もちろん準優勝の小原をはじめ、山下以上のキャリアと知識やスキルを有するすべての先輩選手にとって、今回の若手選手の優勝は、大きな刺激となり次へのモチベーションにつながるに違いない。
少し話が逸れたが、遠方からの参加者も増えて、支持率の高さが窺える本大会。来年以降はさらにパワーアップして開催されることとなるだろう。なお参加者の顔ぶれを見ると、決してアマチュアの上級者ばかりということはなく、むしろ普段の大会では見かけない人も少なくなかった。この機会に、レベルに応じて楽しめるのが14-1という競技に触れてみてはいかがだろう?
Akira TAKATA