第16回スヌーカージャパンオープン アダムカップ
水下広之、『スヌーカージャパンオープン』で初優勝!
12月4日(日)、『第16回スヌーカージャパンオープン アダムカップ』の大会最終日が開催された。この日に会場に顔を揃えたのは、神箸渓心、水下広之、長谷修次、栗本高雄の前日の4名×4組のリーグ戦を突破した4名。
神箸渓心、福田豊を破っての3位タイ
神箸は現在、中国にてスヌーカー留学の真っ最中の15歳。今回は大会参戦のための一時帰国したところだ。リーグ戦では、このジャパンオープンで過去9度の優勝を果たしている福田豊を破ってのラスト4入り。
準決勝のカードは神箸vs水下、長谷vs栗本となった。この日の試合は全てベストオブ5となっており、進行はまず各試合を2フレームずつ行い、その後に残りのフレームを行うという流れ。
第1、2回大会チャンピオンの栗本高雄は3位タイ
まず注目の神箸と水下の対戦は前半戦を1-1で折り返し、後半で水下が2フレーム連取で水下が決勝戦へ。もう一方の試合では後半戦で70点のブレイクを絡めて2連取した長谷が3-1で勝利。
長谷修次、準決勝ではビックブレイクを見せるも最後は振るわず
水下対長谷という、ともに勝てばジャパンオープン初制覇という2人の決勝戦となった。第1フレームは水下が先行していき、中盤で長谷が迫るもののわずかに及ばず水下が先制点を挙げる。
水下、第2フレームはレール際のポットで会場を沸かせた
この日の水下の見せ所が第2フレーム。またも水下が先行する展開から長谷が追いすがり、今度は最後のブラックボールを入れた方がフレームを取るところまで至る。そして互いの攻守のせめぎ合いの末に、水下がレール際をカットで沈めて2−0に。
第3フレームは47点のブレイクを見せた長谷が取って一矢報いるものの、第4フレームは水下が最後に45点のブレイクを出してフレームカウント3-1にてジャパンオープン初優勝を決めた。
これで水下は国内2大スヌーカータイトルの両方を獲得
「豊さん(福田豊プロ)にボコボコにやられ、2年越しで勝てました!(2014年の同大会で福田に決勝戦で敗れての準優勝が過去の最高成績だった) 予選日で今回はもうダメかとも思った時もあったんですけど、今日は松村さん(浩史選手)に途中にアドバイスをもらってから調子を取り戻せました。ビジネス(自身が代表を務める『株式会社GWS』の業務)があるので、ポケットも含めて出られる試合が限られているのですが、これからも自分自身が選手として頑張っているところを見せていきたいですね」(水下プロ)
水下はこれで2014年に優勝した『全日本選手権』と合わせて2大スヌーカータイトルを獲得したことになった。今回は特に、他の選手よりも1つ抜けたロングポットの精度と攻守のバランスの良さが大会初優勝に繋がったのではないだろうか。
神箸はもちろんだが、タイにて修行を積む真っ只中で今大会は不参戦だった桑田哲也もおり、今後のさらなるレベルアップが予感される日本スヌーカー界。そこに水下もまた、全体のレベルを引き上げる存在として、さらに目が離せないプレイヤーとなってきそうだ。