第49回全日本選手権
第49回全日本選手権、台湾が制圧!!
11月23日(水-祝)、大会決勝日を迎えた『第49回全日本選手権大会』。最後に拍手を浴びた2名はともに、台湾選手だった。
男子の部はJPBA勢が2名という中でのベスト16、そこで川端聡がカルロ・ビアドに、羅
立文が鄭喻軒(台湾)に敗れて、2005年以来の選手権制覇に向けたJPBA選手の挑戦はここで早々に終了した。
全日本選手権、初ファイナルに挑んだジェフリー・デルーナ
残るメンツはいずれ劣らぬワールドクラスばかりという中で、決勝戦まで勝ち上がったのはまず、フィリピンのジェフリー・デルーナ。この日はウォーレン・キアムコ、デニス・オルコロと同郷の先輩達を破り、さらに『USオープン』チャンピオン・鄭も下して、初の全日本選手権の決勝戦進出だ。
過去、2度の優勝を果たしている柯秉逸
もう一方の山からは3度目の優勝に挑む柯秉逸。一昨年王者のレイモンド・ファロンとカルロ・ビアドとこちらもフィリピン勢を続けて下し、準決勝では2010年選手権者のトーステン・ホーマン(ドイツ)とのヒルヒル対決も制した。
日本のファンに世界王者の強さを見せ付けた
この対戦、ブレイクが決まる柯が一気に先行していく。10-2で先にリーチをかけ、そこから1点返すものの第14セット、3番でデルーナにミスが出る。そこから柯が滞りなく取り切っていき、最後は8番から9番にポジションしたところでOK。ナインボール、テンボールともに世界王者に立つその実力の高さを日本のファンに存分に見せ付けるゲームとなった。
3度目の全日本選手権決勝へと駒を進めた河原千尋
一方の女子の部は、9名の日本人選手が揃う中でこの日の試合がスタート。しかしベスト4が揃った時点では河原千尋、陳思明(中国)、魏子茜(台湾)、陳禾耘(台湾)の4名と日本選手はわずかに1名。男子の部は早々にJPBA勢が消えていることもあり、日本のファンの声援は河原へと集まっていく。
陳禾耘、準決勝は魏を相手に9-0で勝利
その中での準決勝、陳と対戦した河原は中盤で一歩抜け出して6-4と先行。しかし、そこから逆転を許して8-6と陳が先にリーチをかけた。しかしそこから暗いつき、8-8まで追い付くことに成功。陳のセーフティを見事にカットで入れて大拍手を浴び、そのままランアウト。2年連続3度目の決勝進出を決めた。
そのファイナルの相手となったのが陳禾耘。この試合の展開は逆転に次ぐ逆転劇。河原が先制点を上げるものの、すかさず陳が返し1-4まで走る。第5ゲームで陳がイリーガルブレイクを犯したところから河原が反撃し、スコアは8-5に。
陳、初制覇で吠えた!!
会場の誰もが河原の初優勝を信じて疑わなかった。しかしそこからが思うように試合を運ぶことができず、徐々に陳が追い付いていく。そして、最後は8-8まで追い付き、そして陳がブレイクを見事に決めてマスワリ。陳は大会初優勝となった。
男女ともに台湾勢が制した全日本選手権。世界の壁の高さ、そしてこの大会の難しさを改めて認識する第49回大会となったのではないだろうか。もちろん、来年に向けて明るい要素を見付けた選手もいたことだろう。また来年もワールドクラスの戦いが繰り広げられることを願いつつ、今年の全日本選手権は閉幕となった。