第5弾 アジア大会金メダリスト、初戴冠を狙う
今回のピックアップは『アジア大会』金メダリストの郭柏成
郭柏成の試合で、多くのビリヤードファンが思い出す試合と言えば何をおいても1つ、挙げられるものがあるだろう。それは2005年の『男子ナインボール世界選手権』ファイナルだ。地元・台湾で行われた世界一を決める大会で、強敵をバタバタと倒していった郭はファイナルまで勝ち進む。初の世界タイトルを獲得するべく、熱戦を制していった。
2005年の『男子ナインボール世界選手権』より
そして迎えた決勝戦の相手は16歳の天才少年。そう、同郷の後輩であるあの呉珈慶だった。16-12の郭リーチで迎えた第28ゲームに郭が世界チャンピオンまであと1歩というところまで至りながら、ノークッションファウルを犯し、そこから呉の取り切りと4連マスで席から立つことなくフィニッシュを迎えた有名な一戦だ。
2009年の『全日本選手権』より
その後の郭は2008年に『アジア大会』で金メダルを獲得するものの、世界選手権では2010年に再びの準優勝と、世界タイトルに今一歩、届かずにいる。『全日本選手権』においても出場は多数ながら、2006年と2009年の3位タイが最高成績で、やはり優勝には及んでいない。
しかしながらもちろん、世界トップクラスの実力の持ち主であることには違いない。郭のプレーはクレバーかつ繊細。じっくりと見ていると、「ビリヤードって簡単だな」、なんて勘違いをしてしまうというプレイヤーだろう。いつまでも見てられるような試合、と言い換えてもいいだろうし、多くのアマチュアプレイヤーにとって参考になるプレイヤーだ。
つまり実力は一級品。もちろん、毎年優勝候補の一人としてあげられるべき存在だ。尼崎の『あましんアルカイックホール・オクト』まで足を運んだなら、ぜひ1試合は彼のテーブルをゆっくりと見てほしい。
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