「全日本」が少しだけ見えてくる・その1
本サイトの選手データ(名鑑)をご覧になったことはありますか? そこには生年月日や出身地、プロ入り期などの基本的な情報とともに、本誌が記録を残し始めた2000年以降の各大会の戦績を記載しています。
ここに載せている大会の戦績は、各選手がプロ入りしてからのJPBAの公式戦に限っており、その中で男子の掲載・非掲載の境界線を9位タイ(ベスト16)以上と定めているのです。この基準に関しては大会のグレード(SG1、G1、G2など)に関わらず、同じであります。
(左から)昨年3位のハン・ハオシャン(中国)、準優勝のロナート・アルカノ、優勝のヨハン・チュア、3位のシェーン・バン・ボーニング、ベストアマの酒井大輔(9位タイ)
そこで、現在選手データに登録があるプロプレイヤーの中で、全日本選手権において9位タイ以上になったことがある選手を調べてみました。すると、名鑑上にいるプロ126名の中で、21名が該当しています。6人に1人は到達していると見ることができますから、この数字だけを見ると、さほど少ないとも感じないかもしれません。
ただ、忘れてはいけないのが、その人数が16年間で21名(※)というところです。その間に、選手名鑑の人数を上回る160名分[16(名)×16(年)=256(人)]の枠(9位タイ以上)があった中での数字ですから、やはり厳しい大会と言えるのだと思います。
※10年間の間に引退したプロの選手データは含んでいません。
奥村以前のJPBA男子・全日本優勝者は高橋邦彦(1997年)
2000年代に入って、全日本のJPBA優勝者が2005年の奥村健(現JPBF)のみとなっている状況の裏付けとまでは言えませんが、その結果と無関係ではない数字でしょう。ちなみに、奥村以前のJPBA優勝者は1997年の高橋邦彦になりますから、現在本サイトの国内男子プロの戦績に「全日本選手権優勝」の文字が書かれた選手はいないということになるのです。
ちなみに、5位タイ以上に枠を絞ると11名、3位タイ以上になると6名、準優勝以上だと3名とその人数は減少していきました。可能枠数と同様に半数ずつになっているのは興味深いところです。何はともあれ、全日本選手権を見る際は、選手名鑑も少しはお役立て下さいませ。
フランシスコ・ブスタマンテ(フィリピン/写真)と柯秉逸(台湾)が2000年代に入って2度優勝している
【2000年以降、9位タイ以上の戦績を収めたプロ】
赤狩山幸男、井上浩平、内垣建一、浦岡隆志、大井直幸、川端聡、北谷好宏、栗林達、斎藤慎太郎、菅谷慎太郎、高橋邦彦、竹中寛、田中雅明、利川章雲、西尾祐、塙圭介、土方隼斗、福本宇太郎、山本久司、羅立文、和田敏幸
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