WEB CUE'Sトップ > 過去のニュース(2016年) > 土方隼斗が記念大会で北陸初優勝!

過去のニュース(2016年)

2016.10.17 トーナメント

土方隼斗が記念大会で北陸初優勝!

北陸オープン30回記念大会

hokuriku17_hijikata.jpg

今シーズン7勝目を挙げた土方隼斗


10月15日〜16日(土・日)に『野々市市スポーツセンター』特設会場(予選は石川県内複数店舗併用)で開催された『第30回北陸オープン』は、滞りなくスケジュールを終えて、男子は土方隼斗が、女子は台湾の王婉菱が、それぞれ北陸オープン初優勝を果たした。

hokuriku17_draw.jpg

決勝会場となった『野々市市スポーツセンター』に男子16名、女子8名が集結


既報の通り、男子の決勝日は16名でスタート。地元、北陸を中心にギャラリーも多数訪れて、広い体育館のフロアや2階観客席から熱心に観戦をしていた。中でも注目を集めたのが、ベスト8で実現した"北陸の雄"こと福井県出身でプロ入り後は富山を拠点に活動していた栗林達と、大阪出身で現在は富山市内のビリヤード場に勤務する藤本共史アマの一戦。

hokuriku17_kuribayashi.jpg

男子準優勝:栗林達


ご存知の方も多いだろうが、藤本は元プロで、2013年を最後にプロ生活にはピリオドを打ったものの、以降はアマチュアの肩書きながらオープン戦などへ限定的な参戦をして、プロ登録時を上回るような活躍をしている。そんな藤本が9ゲーム先取で7-0という大量リードに成功。さすがに栗林応援団にもあきらめムードが漂い始めたところで栗林の逆襲は始まる。なんと、ここから9連取で大逆転。言う間でもなく、観客席はこの日一番の盛り上がりとなった。

そして栗林は準決勝でも中盤以降のゲームを掌握する形で竹中寛を下して2年連続4度目となる北陸ファイナル進出を決めた。一方の山ではベスト8で川端聡を相手にマクリ勝ちを決めた今シーズン大爆発中の土方が、塙圭介と対戦。塙はルーキーイヤーであった2004年に本大会で準優勝という足跡を残している。ここは土方が自身の展開に持ち込んで9-4のスコアで自身2度目となる北陸オープン決勝にコマを進めた。

hokuriku17_sc.jpg

決勝戦のクライマックス、栗林が痛恨のスクラッチ


今年すでに『ジャパンオープン』優勝を含むシーズン6勝を挙げている土方と、北陸が生んだ最強の男・栗林の決勝戦は、大会3連覇の記録挑戦をあきらめ『USオープン』へ参戦した大井直幸が不在の今大会において、最高と表現してよいであろう至上のカード。このゲームはフルゲームに突入して、途中で栗林がゲームボールを沈めるも、2秒後に手球が同じポケットに吸い込まれるという悪夢に見舞われる。ここから土方がしっかり取り切って北陸優勝を飾った。と同時に、土方は現在国内で開催されているJPBA公式戦において『全日本選手権』、『全日本14-1選手権』を除くすべてのタイトルを奪取した。

hokuriku17_shake.jpg

JPBA勢として唯一ベスト4に残った河原だったが......


また8人でスタートした女子決勝日は、4テーブルとも日本vs台湾のカードとなり、ここで野内麻聖美光岡純子、そしてアマチュアの佐原弘子が揃って姿を消してしまう。そして日本人最後の砦となった河原千尋は、台湾の范育瑄に中盤で走られてリードを許すものの、日本のエースとして貫録を見せる猛追でヒルヒルに。ここにドラマはあり、范が薄くなったゲームボールをしっかり沈めて、「あわやスクラッチ!」は紙一重で回避して、ファイナルは3年ぶりに台湾勢同士の対戦となった。

hokuriku17_wan.jpg

女子優勝:王婉菱


終始互角の展開で進んだ決勝戦は、ヒルヒルに追い付く場面の6番で范がシュートミスをしてしまい、これがゲームを決する形となって王婉菱が優勝を決めた。王が19歳なら范は17歳。また王は北陸オープンにおいて、一昨年から9位タイ、3位タイ、そして今回の優勝と、着実に伸びを示している。台湾女子は次の世代が着実に育ってきた。

hokuriku17_b8.jpg

大会ベスト4とベストアマ。左から女子ベストアマ・佐原弘子、3位タイ・陳佳樺、3位タイ・河原千尋、準優勝・范育瑄、優勝・王婉菱、男子優勝・土方隼斗、準優勝・栗林達、3位タイ・竹中寛、3位タイ・塙圭介、ベストアマ・杉本優太


なお男女ファイナルほか好ゲームをCBNTで配信予定ですので、どうぞお楽しみに。

Akira TAKATA