1st Top Of the Cues Nippon〜トップ・オブ・キューズ・ニッポン〜第1回レポート
初開催のイベントだが、会場の『ゴッドドラゴン』には多くのファンが集まった
10月8日(土)東京都港区にある宗田三佳プロが経営する『ゴッドドラゴン』にて、キューコレクター有志によるイベント、『第1回トップ・オブ・キューズ・ニッポン』(TOC Nippon)が開催された。
発起人の松實伸之氏とカーセンブロックコレクション
発起人は北海道札幌市在住のコレクター、松實伸之氏。その目的は「カスタムキューや思い入れのあるキュー、あるいは歴史的に意味深いキューの素晴らしさを、キューコレクター間で共有確認し、機能的芸術品としての価値を公にアナウンスする機会を提供する」(松實氏)というもの。
2002年以来、アメリカのコレクター・キューメーカー有志により10回以上開催されている『インターナショナル・キュー・コレクターズ・ショー』(ICCS)に参加し、そのコンセプトに感銘を受けた松實氏が数年間の構想と準備の末、開催にこぎつけたイベントだ。
多数のキューが並ぶ中でも繊細な技術が一際目を引く、『ILC』
呼びかけに応じてコレクションを展示したのは、松實氏を含め全国から集まった9名。本誌でもおなじみのUKコーポレーション代表・大原秀夫氏、今や『ILC』ブランドのキューメーカーとして知られる菱沼巌氏など、海外でも知られるコレクターも名を連ねた。
『タッド』など著名なメーカーの名品達がずらりと並んだ
展示のために用意されたキューラックは、北海道札幌市の工房に松實氏が特注したもの。『ザンボッティ』や『タッド』、『カーセンブロック』などの逸品や『ILC』の最新作、あるいは歩行杖の中にシャフトが仕込まれたアンティークまで、展示されたキューは150本以上。またキューだけでなく、チョークや書籍、キューケースなども並べ「見せる」工夫にも凝っていた。
キューばかりでなく、多様な珍しいアイテムも展示された
暗中模索の第1回ということもあり、入場者は各コレクターの招待者に限定したプライベートショーの形式だったが、それでも40名以上が来場。会場内ではキューに関する情報交換や、参加者間の交友を深めることで大いに盛り上がった。
完成間近という『HAKU CUSTOM CUE』の新作(オーダー品)
展示者だけでなく、設営に千葉県松戸市『エニシング』の渡邉秀之氏と入江洋介氏、銚子市『スピリット1』の木内敏毅氏も協力。さらに招待者が持ち込んだキューの飛び入り展示や鑑定、『HAKU CUSTOM CUE』最新作の紹介もあり、キュー愛好家にとっては至福の時間となった。各展示者も、他者のコレクションを目の当たりにすることで、新たな蒐集欲が湧いてきたようだ。
コレクター有志による連帯の結果生まれたTOC Nippon。現状、参加者の費用負担による非商業イベントで、今後、年1回の展示会を開催してゆく方向で検討するとのこと。興味を持った方は、次回はぜひ参加してみてはいかがだろうか。
また、イベントの模様についてさらに詳しくは、次号『隔月刊ビリヤードCUE'S』(2017年1月号/2016年12月発売)で展示者達のコダワリを紹介するミニインタビューやキュー達の写真とともにリポートする予定だ。
K.Kagomiya