9月24日〜25日(土・日)の2日間に渡り、東京・神保町の『学士会館』を会場に『第17回全日本レディース四ツ球選手権』が開催された。この大会は、『公益社団法人日本ビリヤード協会』(NBA)が主催する「全日本選手権」の一つとして、日本で古くから親しまれてきた四ツ球の歴史を継承しつつ、女性に親しみやすいゲームとして普及・発展を目指しつつ継続的に行われてきた。
会場となった『学士会館』。国の有形文化財にも指定されている
5年振りの東京開催となった第17回大会に出場したのは、北は北海道、南は福岡から集った13名の女性プレイヤー達。今大会で優勝経験を持つベテランから初参戦の選手までが、この日のためにコンディションが整えられた4台の四ツ球台が並んだ会館内の『撞球室』で技を競い合った。
大会のフォーマットは、13名を7名と6名のリーグに分け、それぞれで総当たりの予選リーグ戦を行い、各組の1位同士が優勝決定戦、2位同士が3位決定戦、3位同士が5位決定戦を戦うというもので、全ての試合が50点ゲーム。大会初日から2日目にかけて進められた予選リーグは、前年度優勝の平山英子選手、今大会5度の優勝経験を持つ久保谷由紀子選手といったベテラン勢を中心に展開した。
その結果、優勝決定戦は、ハイアベレージで予選の5戦を全勝した久保谷選手と、予選5勝1敗ながら、同じく5勝1敗の町田千保子選手をアベレージで上回った平山選手の対戦となり、3位決定戦は萩原みゆき選手vs町田選手、5位決定戦は西田佳映選手vs窪寺洋子選手の対戦となった。
3台のテーブルを使用して同時進行となった順位決定戦はいずれも熱戦となったが、久保谷選手が9イニング・50-17で平山選手を下して見事に5年振り6度目の優勝を果たし、3位決定戦では萩原選手、5位決定戦では西田選手が勝利した。
大会を通じて見た長いキャリアを持つ選手達のハイレベルな技術と知識、四ツ球でビリヤードを始めて3年で今大会に出場した選手の溌剌としたプレー、さらには大会終了後に見た出場全選手の晴れやかな顔。
ポケットビリヤードがメインとなっている現在の日本のビリヤードだが、他にも様々な種目がある中で、四ツ球は誰もが始めやすく、ビリヤードの基礎も学べて、入門にも最適で長く楽しむことができるゲームであることを改めて感じた「全日本選手権」であった。