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過去のニュース(2016年)

2016.09.27 トーナメント

小川徳郎名人、防衛成功!!

第56期名人戦・名人位決定戦

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9月25日(日)、神奈川県横浜市鶴見区の『アロウズ』にて、『第56期名人戦・名人位決定戦』が開催された。この名人戦は、昭和36年に創設された大会で半世紀以上の歴史を有する。ローテーションという、日本のポケットビリヤードの歴史の中でも、最も古くから行われてきた代表的な種目で戦う試合だ。

ローテーションとは、的球として1番ボールから15番ボールを全てを使用するゲームで、ボールに書かれている数字そのものが得点となってポケットしたプレイヤーに加点され、合計得点が規定の点数に到達したプレイヤーが勝利するというもの(名人戦は300点ゲームの5セット先取)。同じ1球でもそれぞれに重みが異なるが故、さまざまなスリリングな展開が繰り広げられるゲームだ。

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会場は横浜市鶴見区の『アロウズ』


この名人位決定戦は在位中の名人のホームで開催され、挑戦者が乗り込んでくるというスタイルを取っている。この日、試合を戦ったのは神奈川の名人・小川徳郎と高知からの挑戦者・溝渕一洋。試合は定刻の11時より10分強早めにスタートした。

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挑戦者・溝渕一洋(高知)


第1ゲーム、両者に多少の硬さが見られる中、ホームの仲間、応援に駆け付けた神奈川ポケットビリヤード連盟(KPBA)の面々の声援を背に、小川が先に流れを掴む。第1セットを300-85でものにすると、続く第2セット、第3セットも安定したプレーを披露して3セット連取に成功した(第2セット=300-136、第3セット=300-96)。

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小川徳郎、名人位の防衛に成功!!


使用していたテーブルは、ポケット幅が狭くなっていて、これをビリヤード・プレイヤー達は「ポケットが渋い」と表現するのだが、そのせいもあって互いに要所でシュートミスが出ることも多かった。特にサイドポケットの渋さについては、小川と同じKPBAの連盟員達も声を揃えていた。それも影響したのか、乗り込んで来た溝渕には、ここまで終始苦戦の色が見て取れた。

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コーナーポケットはこの幅。ボール2個分強が一般的なサイズ


しかし、第4セットで溝渕が反撃開始。小川に長期戦による披露も見られ、そこに乗じてスコアを伸ばし、この試合初めての競ったセットとなる。それでも小川が終盤に踏ん張りを見せて、300-269でセットカウントをリーチに。溝渕にしてみれば、ここを獲れていればその先の展開に変化を及ぼせる可能性もあっただけに、痛かった。

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溝渕と応援団


そして迎えた第5セット、切れかかった流れを渡さなかった小川が快調にリードを広げていき、300-66で防衛に成功。在位2期目へ。試合後、小川は「相手に救われた部分も大きかったですね」と、自らのプレーをあまり評価することはしなかったが、観る者全てに「強さ」を印象付けるプレーぶりだった。

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小川名人と応援団


東京・池袋で開催された東日本グランプリでは、第47期〜50期に名人位に就いていた持永隼史が、12年ぶりにアマチュアとして優勝を果たし、'16年の9月25日は奇しくも「名人」が輝いた1日となった。それはこの位が如何にスペシャル・ワンな存在であるかを示したのではないだろうか。

『第56期名人戦・名人位決定戦』のフォトギャラリー