2016アジア選手権男子&ジュニア
羅立文(右)と田中汰樹
8月18日~21日(木-日)、台湾の台北で開催された『アジア選手権』は、日本勢にとって素晴らしい幕切れとなった。今年日本から参戦したのは、成人男子の部に前回覇者の羅立文以下、同準優勝の大井直幸、土方隼斗、栗林達、竹中寛の5名(全てJPBA)、ジュニア男子は田中汰樹、西岡未彩輝の2名、ジュニア女子は奥田玲生、村松さくらの2名。
会場となった台北中心部の"TPE EXPO PARK DOME"内の特設会場
参加人数は成人男子が32名、ジュニア男子が20名、ジュニア女子が12名。フォーマットは成人男子がナインボール・8ゲーム先取、ジュニア男子がナインボール7ゲーム先取のシングルスとダブルス、ジュニア女子がナインボール6ゲーム先取のシングルスとダブルスで、計5種目。注目は今年からのWPA新ルールで、ナインボールオンフットが採用されたことで、試合ではラックシートが使われていたが、目立った混乱は見られなかった。
強豪国から多数のトップ&ジュニアが参戦
会場は台北中心部の"TPE EXPO PARK DOME"内の特設会場で、試合テーブル8台、練習テーブル4台が設置されていた。今大会は来年台湾にて開催される学生を対象にした国際総合競技大会『ユニバーシアード競技大会』のプレイベントという位置づけになっていて、ユニバーシアードも同会場でおこなわれるそうだ。
田中は堂々たる戦いぶりで国際タイトル初奪取
ジュニア男子では田中汰樹が大暴れ。予選2連勝から勝者最終戦で敗れたものの、敗者最終戦に勝ってベスト8入り。準々決勝では台湾の柯秉逸&柯秉中の弟、柯秉漢に競り勝って準決勝へ。準決勝では昨年のチャンピオン、フィリピンのジェフリー・ロダを3点に抑えて決勝進出だ。
西岡と組んだダブルスでも3位入賞
決勝の相手は韓国のキョン・キュミン。昨年大会以来交流がある仲良し対決となったが、試合は田中がリードしたまま押し切り。7-5で初のアジアジュニアチャンピオンに輝いた。田中と言えば3年前、13歳の時に全日本ローテーションのB級を制している。昨年と比べても田中のレベルアップは明かで、今年の世界ジュニアでは上位を狙えそうだ。また、日本のジュニア男子はダブルスでも3位入賞を果たした。
ジュニア女子を制したのはチェスカ・センテノ(フィリピン)
ジュニア女子決勝は、今年のアムウェイカップに勝ったフィリピンのチェスカ・センテノと、先月のジャパンオープンで準優勝だった陳佳樺(台湾)の対戦に。既にジュニアの枠を越えた活躍をしている2人だが、昨年は準決勝で陳がセンテノを倒して優勝していた。今回はそのリベンジとばかりにセンテノがキューを伸ばし、6-0で陳に勝利。センテノは今週のチャイナオープンにも出場する。
成人男子では大井直幸も3位入賞
昨年は日本のワンツーフィニッシュとなった成人男子だが、今年も羅立文と大井直幸が活躍。大井こそ準決勝で柯秉逸に敗れてしまったものの、羅立文は見事2年連続で決勝に進出。ちなみに昨年はベスト8で大井が柯秉逸を倒していた。
充実の羅立文。2連覇は見事の一言
連覇を目指す羅立文と地元優勝を飾りたい柯秉逸、当然のように決勝は大接戦となったが、ヒルヒルに追い付くところで柯秉逸に痛恨のミスが出て、羅立文が取り切り。堂々の大会2連覇となった。ベスト8のフランシスコ・ブスタマンテ(フィリピン)戦でも、ブスタマンテが7-6とリーチをかけるところでイージーな9番をミス。柯秉逸、ブスタマンテといった名手からミスを引き出すくらい、羅立文のプレーが相手にプレッシャーをかけている訳だ。連覇への重圧を見事にはねのけて勝ち切ったあたりにも今の羅立文の充実ぶりがうかがえる。さあ、次の目標はもちろん3連覇だ。
On the hill!