2016年前半・女子ポケット戦線プレーバック
ジャパンオープンベスト4。左から3位タイ・夕川景子、優勝・栗林美幸、準優勝・陳佳樺(台湾)、3位タイ・木村真紀
栗林美幸が台湾の新星・陳佳樺を下して自身3度目となる優勝を果たした『ジャパンオープン』を終えた段階で、JPBA女子の2016年シーズンは6試合を消化。11月の『全日本選手権』に向け後半戦は残り5試合となった。
現在のランキング1位(6月末時点)は河原千尋
ここまでのJPBA女子戦線を振り返ると、中心にいるのはやはり、昨年の女子MVPでもある
河原千尋。2015年に4勝を挙げ、『女子ナインボール世界選手権』でも自己最高の4位に入賞した勢いそのままに、開幕戦の『関西レディースオープン』で優勝。その後も5月開催の『大阪クイーンズオープン』も制して今シーズンここまで2勝。4月に台湾で開催された『アムウェイカップ』でも3位と、世界との距離もさらに縮めながら、6月末の時点でがっちりトップを守っている。
栗林美幸は『ジャパンオープン』で今季初勝利
ランキングで河原に続くのが2位・栗林と3位・
梶谷景美。栗林は関西レディース、大阪クイーンズの決勝で2度河原に敗れて準優勝にとどまったが、ジャパンオープンに勝って大きくポイントを伸ばし河原との差を詰めてきた。また、昨年未勝利ながら安定した戦いでランキング2位(15年)となった梶谷も、4月開催の『全日本女子プロツアー第2戦』で1年半振りの優勝を果たして変わらぬ強さを見せている。
大きな存在感でJPBA女子を牽引し続ける梶谷景美
ランキング争いは今後も、この3人を中心に展開していくと考えられるが、今シーズンの女子戦線には、前半戦に活躍し、後半戦をさらに盛り上げるに違いないプレイヤーも多い。その中でも最も注目なのが、
藤田知枝と
平口結貴だ。
藤田知枝、残り5戦でプロ初勝利を達成できるか
藤田は優勝こそまだその手にしていないものの、前半6戦で全てベスト16以上、その内準優勝が2回と高いアベレージを残し、後半戦でのプロ初勝利も目の前にある状況。そして平口は、まだ記憶に新しい7月開催の『関東レディースオープン』で、激闘の末に藤田を下しプロデビュー戦で衝撃の初優勝を飾っており、その勢いのまま後半戦での大爆発が期待されている。
平口結貴は後半戦の台風の目となる予感
その他にももちろん、3月開催の『全日本女子プロツアー第1戦』でプロ入り初優勝を遂げた
久保田知子、ジャパンオープンで3位タイに入り、ギャラリーに改めてその力をアピールした
木村真紀、さらに
夕川景子、
野内麻聖美らのランキング上位勢を含め、それぞれに頂点をめざす、プレースタイルもキャラクターも違う多彩な女子プロ達もいる。
気が付けばトップ5入りが目前の久保田知子
JPBA女子戦線、後半戦は9月3日〜4日(土・日)に富山県砺波市の『リボルバー砺波店』で開催される『全日本女子プロツアー第3戦』でスタート。ちなみにこの大会では、国際ルールの変更に合わせる形で『ナインボール・オン・フット』ルールが採用されることになっている。
いずれにしても、ベテランからルーキーまでのタレントが揃い、ハイレベルなプレーが展開されるであろう女子プロ達の戦いは、クライマックスである11月の『全日本選手権』に向けさらにヒートアップしていくに違いない。