西日本グランプリ第3戦
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決勝で大井直幸を破りJPBA公式戦通算5勝目!
かなり「レア」なファイナルだった。6月26日(日)に広島市の『ファイブナイン』(予選は『球友クラブ新天地』併用)を舞台に開催された『西日本グランプリ(西GP)第3戦』のファイナルは、大井直幸vs竹中寛のカードに。竹中がJPBA所属となった2010年以降、この2人が西GPで対戦をするのは今回で7度目だ。
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会場となった『ファイブナイン』
ここまでの西GP対戦戦績は西GPキングである大井が5勝と大きく勝ち越している。大井のアグレッシブにして繊細な最速ビリヤードは今さら説明不要だろうが、"サムライ"のニックネームで親しまれる竹中の「とにかく外さない」球は今回の会場でも1日を通して高い視聴率を獲得していた。
そんな2人のファイナルは誰もがスピード決着を予想したが、刻一刻と変化するテーブルコンディション(特にクッション)に2人揃って苦しみ、"珍しいミス"が頻出することとなった。1試合で1年分のミスをした。そう書いても過言ではないほどに。
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準優勝・大井直幸
それでも6-3のスコアで大井がリーチをかけた時点で「また大井か」と思ったギャラリーも多かっただろうが、何もかもが「いつもの形」にならない中、竹中が得点を重ねると、
ヒルヒルに追いついた最終ラックは、「とにかく外さない」マスワリでゲームを決めた。
同じテーブルを使った準決勝の
杉原匡と竹中の試合では、杉原が「最後はテーブルに負けてしまった」と反省をし、「でもあきらめることなく最後までできた」と、同じ試合に1日の反省と収穫があったとコメント。これは優勝後の竹中談話も、ほぼ一致する。
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3位タイ・杉原匡
一方、大井が準決勝で対戦したのはGPの前戦(第2戦)でプロ初優勝を飾った
和田敏幸。
「ジャンプ(ショット)のイメージがよく1日を通してよく決まった」という和田は、言葉通りにジャンプインからの取り切りで自身のプレーに弾みをつけていた様子。だが最後は「ブレイクのノーインが多かった」と次への課題を実感する結果に。
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3位タイ・和田敏幸
「ラッキーしかないです。嬉しいですけど、勝てる内容ではなかった」と、2年ぶりの優勝を喜びつつ、内容を反省し受け止めた様子の竹中は、これでJPBA公式戦通算5勝目で、6年半の活動期間で実に13度目の公式戦決勝戦進出。そんな竹中にしても極めて"レア"な今回のゲームは、自身が掲げ続ける「ランキング3位以内に」という目標達成に向けて、大きなターニングポイントとなることを予感させる。
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次戦のジャパンオープンに向け弾みの付く勝利となった
なお、準決勝を前にギャラリーとプロのペアマッチが開催されて、個性派にして技巧派のプロ達が軽妙なトークを交えて会場はおおいに盛り上がりを見せた。そのペアマッチでも竹中チームが優勝を果たしていたことを、ここでお伝えしておく。
ファイナルの映像は後日、
CBNTで配信予定です。どうぞお楽しみに!
Akira TAKATA