24th Super Billiards Expo in Oaks, Pennsylvania
ビリヤードファンなら一度は行きたい、"SBE"を今年もリポート
4月14日(木)から17日(日)までの4日間、アレン・ホプキンスプロダクション主催の『第24回スーパービリヤードエキスポ』(以下SBE)が開催された。SBEはビリヤードに関するありとあらゆるものが一堂に会し、誰でも参加できる米国でも最大級のイベント。
トッププロのプレーを生で観て、欲しいと思っていたキューやグッズを手に入れ、アマチュアトーナメントにも出場できる、ファンにとっては夢のような4日間だ。会場は、昨年同様アメリカのペンシルバニア州オークスにある『ザ・グレーター・フィラデルフィア・エキスポセンター』。広く歩き回りやすい会場内通路、十分な駐車スペースの確保と、これまでの来場者の意見を十分反映した運営だ。
数多くのテーブルが並び、昼夜問わずにゲームが行われている
約2万2千平方メートルという広大な会場には、アマチュア試合用の7フィート台が186台と練習用に16台、観客席に囲まれた9フィート台が8台のアリーナともう8台がオープンスペースに設置されたプロ用エリア、スリークッション台が2台置かれたコーナー、ビリヤード関連グッズを売るブースが約100も並ぶエリアと、簡単な食事ができるフードコートも用意されていた。
アマチュア・ジュニアトーナメント。まだ背が低くても58インチのキューでプレー
エキスポでは、数多くのトーナメントが開催される。アマチュアがエントリー可能なナインボールは、オープン、女子、U-12とU-17のジュニア、シニア(50歳以上)、スーパーシニア(65歳以上)の計6部門と、プロアマ部門に分かれ、4日間で延べ数千人がプレー。さらにアマチュアリーグTAP主催のチーム対抗エイトボールも行われた。
しかも開催日前夜に行われるミニトーナメント『ウェンズディ・ウォームアップ』、練習用テーブルは24時間利用可能(深夜は別途入場料あり)、エントリーフィーは4日間の入場料込みと至れり尽くせり。スリークッションは招待プロによるリーグ戦の他、5点先取、32名枠のミニトーナメントなどのイベントを絶え間なく開催し、ポケットプレイヤーの関心も集めていた。
弱冠15歳(試合当時)の女子プレイヤー、エープリル・ラーソン
プロトーナメントは、男子テンボール、女子ナインボール、ワンポケットが同時開催。プロ・アリーナは昨年と異なり入場有料となった分、会場の喧騒から隔てられ静かに観戦でき、朝から深夜まで、観戦するだけでも大満足だ。優勝は男子テンボールが両親ともトッププレイヤーというカナダの若手、ジョン・モーラ。ワンポケットはダレン・アプルトン。女子ナインボールの優勝はベテランのカレン・コーだったが、5位タイと健闘した弱冠15歳の新鋭、エイプリル・ラーソンが注目を集めていた。
プレデターの最新作、REVOシャフト。カーボン製のプレーキュー用シャフトが発表された。
ビリヤードグッズならば何でも揃うショッピングエリアは、約100のブースが軒を連ね、原則午前11時から午後8時まで開店。会場内ではキューやケースを初めとする話題の製品やアクセサリー類を手に取り、比較したり試したりした上で購入が可能。何といっても注目は、プレデターの新製品、"REVO"シャフト。カーボン素材で先角を省略した、新しいプレー用シャフトが発表された。単体での発売日や価格は未定とのことだが、人工素材によるシャフトの登場で、キューのあり方が大きく変わる可能性を感じさせた。
米国初上陸の早川工房キュー
日本ブランドとしては、アダムジャパン・ナビゲーター13・早川工房が並んだ共同ブースの他、カムイ、メッヅの現地法人が出展。「メイド・イン・ジャパン」ならではの品質、オリジナリティを数年に渡りアピールし続けた結果多くの来場者が訪れ、すっかり定着した感がある。
ACAキューコンテスト受賞者達。左からジャコビー、ペシャウアー、ディヴィニー、トンキン
毎年恒例のアメリカン・キューメーカーズ・アソシエーション(ACA)主催、来場者投票によるカスタムキューコンテストでは、1位ジャコビー、2位ペシャウアー、3位ディヴィニーという有力メーカーが余裕の入賞。さらにキューメーカー同士の投票ではピート・トンキンが選ばれ、最近のカスタムキューメーカー界の縮図とも言える結果となった。
有名プロとのチャレンジマッチ、インストラクターの無料レッスンなど気軽に参加できるイベントもあちこちで開催され、全てを体験するためには会場から離れることができない。全ての参加者がビリヤードだけにハマれる4日間だ。
K.Kagomiya