全日本女子プロツアー第1戦
左から3位タイ・高木まき子、優勝・久保田知子、準優勝・曽根恭子、3位タイ・夕川景子
京都市内で桜が咲き始めた3月26、27日(土・日)の両日に、『プールブロウ』(予選は『vivi』併用)において、『全日本女子プロツアー第1戦』が開催された。試合は7ゲーム先取のナインボール、勝者ブレイクというフォーマット。昨年は全2戦を同会場で開いたため、実に3戦連続となる。昨年は青木絵美の初優勝、そして河原千尋が最終戦でシーズン4度目の優勝を飾っている。
昨年も2度、女子プロツアーを開催した『プールブロウ』
今回は決勝日のベスト16枠の中に、昨年のランキング1位から順にトップシード組が全員入る安定ぶり。そこには地元京都の光岡純子と夕川景子が入っていることもあって、決勝日にも多くのギャラリーが訪れた。
予選の波乱を挙げるとすれば、河原と曽根恭子が敗者側から通過した点。その煽りを喰らったのが、藤田知枝と栗林美幸で、それぞれ隣に飛びこまれて、今回はここで終了となった。また梶谷景美、光岡も藤井寛美、新保まり子に敗れて、ここで姿を消すことに。
ベスト8後には野内麻聖美がMCを務めながら行うペアマッチトーナメント
その後も回転を追うごとに振るい落されるのがトーナメントの宿命。ツアー恒例となったギャラリーとプロによるペアマッチで盛り上がった後に行われる準決勝には、枠順に久保田知子、夕川、高木まき子、曽根が残った。そして、安定感抜群だった夕川を相手に、久保田がワンサイドに押し切る。そして曽根は高木を捲ってヒルヒルに追いつくと逆転勝ち。こうして久保田と曽根という初の決勝カードが実現した。
曽根恭子、昨年の『ジャパンオープン』以来のファイナル進出
久保田はプロ入り前年の2010年に全日本女子プロツアー史上ただ1人のアマチュアチャンピオンに輝いている。そして昨年は『関西レディースオープン』で準優勝するなど、着実に実力を伸ばして初優勝が期待される1人。一方の曽根は昨年も『関東レディースオープン』で優勝。この全日本女子プロツアーでも、過去に3度の優勝と準優勝が2回と、さすがの足跡を残している。
久保田知子が曽根を振り切り、接戦をモノにした
ファイナルは僅差のバンキングを制した曽根のブレイクでスタート。久保田が先行し、それを曽根が追いかける展開で5-5まで追走を続けた。そしてラストゲームは、それぞれ久保田がもらったチャンスをしっかりポイントにつなげる形で得点を重ねて自らの手でプロ公式戦優勝を飾った。
終了後に少し目を潤ませた久保田だったが、初優勝のコメントを求めると「応援して下さる方の『優勝してね』という声に応えることができたことは嬉しいけれど、まだまだ優勝できる実力は備わっていないので、これからまた頑張ります」という旨の言葉が返ってきた。これはプロ6年目に入った久保田の視界が、上に大きく開けてきたことを感じさせる。
久保田、待望のプロ入り初優勝!
また久保田のタイトル奪取に大きな刺激を受けた未勝利組も多くいると窺えた。同じく今回は勝ちを譲ったものの、シーズンを通しては譲らない。そんなトップグループの眼差しも光っていた。国内女子戦線、再び激化の感触。