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神奈川県の、とあるビリヤード場の取り組み

ビリヤードが50円の意味とは？

ビリヤードを恒常的にプレーする人達の平均年齢は、ビリヤード場を見る限り「そう若くはない」と感じる。一見的に遊ぶ人々を含めれば、平均値は一定の下方修正はされるかもしれないが、彼らのプレイヤー化を"待ってばかり"でいる訳にもいかないのが、昨今のビリヤード界のテーマだと思われる。

では「どこの誰に、どういう手段で訴えかける？」となると、それは店の環境をはじめ様々な要素が絡んでくることなので、それぞれに考えを巡らせる必要はあるのだが、ここに一つ4月から大学新入生を対象とした面白い試みをするビリヤード場があるので紹介してみたい。

『サイドナイン』は2階

神奈川県横浜市保土ヶ谷区にある『サイドナイン』は、JPBAの崎村秀章プロ(近年はトーナメントシーンからは遠退いている)が夫婦で営む店。周辺には徒歩10分〜15分ほどの場所に『横浜国立大学』がある。同店に限らず、全国的に近所に大学のキャンパスがあるという店は多いのではないだろうか。

そんな同店が4月から行う試みというのが、前述の通り大学新入生を対象とした「ワンコインキャンペーン」(8月まで)。そのワンコインとは、「まさか!?」の50円という破格のもの。「ビリヤードが50円で！」と打ち出せば、インパクトはかなりあるし、キャンペーンを考えた崎村プロとご夫人はそこを重視した。実際に本記事をご覧になっている方は、タイトルの文字面を見て記事をクリックしてしまったのではないか？

崎村プロ(左)とご夫人(右)

ただし、そんな低価格ではお店の経営は成り立つ術もないので、常時ということではない。実際に料金が50円なのは平日の月・水・金の2時〜5時までの、遊び始めの最初の30分だけの話。30分を超えると2時間=580円という学割が適応される(同店の一般料金1時間＝680円と比較するとこれもお得)。

通常の平日学割も昨年始めたものだったが、そこで反響を得られたことで、学生にも打てば響くことを確認できたからこそ、今回のキャンペーンを思い立ったのだとか。相手が新入生ならば、その先4年間はプレーを続けてくれる可能性だってある。

テーブルは全部で10台(ポケット9台・キャロム1台)

「今の若い人達はビリヤードをやったことがない人達が多いので、まずは一回でもキューを握ってもらうことから始めないとファンは増えません。ビリヤードがどういうものかを知るだけなら、30分あれば十分だと思っています。それでも、ただ30分やってもらうだけじゃなく、やり方がわからなければブリッジやフォームぐらいなら私やスタッフが教えられますし」(崎村プロ、以下同)。

仮に楽しんでもらえずに30分で退店されたとしても、短い時間なので大きなマイナスとは考えていないそうだ。同店の一般料金を30分換算すると340円(1時間=680円)、学割でも145円(2時間=580円[平日])なので、約100円〜300円近い収入ロスとなるのだが「それは広告・宣伝費だと考えています」とのこと。

店内は完全分煙

このワンコインキャンペーンは、口コミやSNSでキャンパスの近くにビリヤード場があること、「ビリヤード楽しかった」といったポジティブな感想の広まりを期待して崎村夫妻が考えたものだという。敢えてインパクトを重視した価格設定にしたのも、彼らが友達との話題にしやすいから。

「ウチには国大生のアルバイトがいまして、彼に『どうやった大学生に来てもらえるかな？』と聞いたら、TwitterやFacebookと真っ先に挙げたので、店のアカウントは数年前に作りました。最近はビリヤード場が減少傾向にありますが、既存プレイヤーを奪い合うのではなく、新規のお客さんを取り合うような競争が生まれるといいですよね」。

マイキューをゲットできるキャンペーンも実施中

サイドナインでは、他にも決められた課題をクリアできればマイキューをプレゼントする初心者向けのキャンペーンなども実施し、新しいビリヤードファンを増やす試みを行っている。そうした取り組みで、この先どのような結果を得られるのか、同店の今後を追求してみたいところ。

サイドナイン
〒240-0065
神奈川県横浜市保土ヶ谷区和田2-15-19ケイダブリュプレイス横浜和田町2F
電話番号：045-336-9892
営業時間:平日：14:00-04:00
土・祝前日：12:00-05:00
日・祝日：12:00-04:00
定休日：なし