第21回京都オープン
決勝会場となった京都市の『サンク』
2月14日の日曜日。京都市の『サンク』(予選は他複数店舗併用)において、『第21回京都オープン』が開催された。年々遠方からの参加者も増えるこの大会。今年も関東地方や東海地区、そして中国四国地区からの出場もあり、予定枠が満杯になる241名(内、アマチュア209名)のエントリーを数えた。
左から3位タイ・福本宇太郎、優勝・島田隆嗣、準優勝・大井直幸、3位タイ・佐藤正行
フォーマットはナインボールのハンディ戦で男子プロが6ゲーム先取で、以下女子プロとアマチュアA級が5先、B級が4先となる。そして予選のダブルイリミネーションの敗者側はそれぞれ1ラックダウンとなる。今年は全15組に分かれて行われる予選ブロックで、各1名まで絞り込んで16名が決勝会場へ移動するようになっていた。
注目は何と言っても昨年まで本大会前人未到の3連覇を果たしている大井直幸。この日も決勝シングルベスト16からシードで登場すると、同学年のプロ仲間である杉原匡、京都アマチュア界の闘将・折戸和幸、そして現在は京都を拠点に活動する福本宇太郎を倒して4年連続となる決勝戦進出を決める。途中は完璧でなくとも、勝負際は逃がさない。そんな世界で戦う男のスタイルを間近で見て、今年もギャラリーは彼の優勝を疑わなかったことだろう。
4連覇の偉業を狙った大井
なおベスト8で福本に敗れはしたものの、本戦会場に集った16名の中に紅一点として新保まり子が残り、5位タイという力強い足跡を残して女子プロの実力を示した。また同じくベスト8の回転では、前出の大井と折戸の対戦が場内で大きな注目を集める。両者の激闘はフルゲームに及び、ドラマティックな5分間の攻防を大井が制して拍手のシャワーを浴びた。
新保は見事に女子プロの意地を誇示した
一方の山からファイナルへ勝ち上がってきたのは、アマチュアの島田隆嗣(ビークール・愛知、ARC)だった。現在『全国アマチュアビリヤード都道府県選手権大会』で大会2連覇中(3年連続ファイナル進出)という進行形の記録を持つ島田は、昨年プロ初優勝を挙げた稲川雄一、ベテラン・神箸久貴という同じ東海に住む実力派のプロを連破すると、準決勝では昨年公式戦で2度の決勝戦進出を果たした佐藤正行と対峙。ここでも先行逃げ切りを決めて、無敵の王者・大井直幸との決勝戦に挑んだ。
島田、大井に逆転勝ち!
バンキングを制した島田だったが、無情にもスクラッチを喫してしまい、ペースは大井が掌握。2-0、そして島田の追撃を受けながらも5-3と王手をかけて、大井の大会4連覇が現実味を帯びた。しかし次ラックの3番で攻撃の機を得た島田が、ここから取り切り、そしてマスワリで、大きなタイトルを手中に収めた。その雄姿に会場は祝福の歓声と拍手で包まれた。
その後、表彰式が行われ、大会主管の京都府ビリヤード協会理事長の小堀泰次郎氏から賛辞謝辞と「より良い大会にしてゆきたい」という抱負が述べられて閉会となった。最後に余談となるが、この大会は過去5年が国内プロ、その前4年はフィリピン人選手、さらにその前4年間は国内アマチュアが優勝と、ユニークな優勝者トレンドがあり、来年以降の展開にも興味が注がれるところだ。
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Akira TAKATA