第7回レディーススリークッショングランプリ
開幕を飾ったのは'12年の世界女王・東内那津未
降雪こそなかったものの厚い雲に覆われた1月30日(土)、東京・新大久保の『ビリヤード 小林』にて、『第7回レディース3Cグランプリ』が行われた。2016年国内レディース3Cシーンの劈頭を飾るタイトルマッチだ(主催は「ザ・チャンピオンズ倶楽部」)。
会場となった東京・新大久保の『ビリヤード小林』
今回は18名が参加。3名×6組に分かれてリーグ戦を行い(15点)、各組の1位とベスト2着の2名、計8名がシングルトーナメント(20点)へ進む。各組の1番枠には、前回覇者にして韓国の若きエース、イ・ミレ(Lee Mi rae)を始め、JPBFプロ達(
肥田緒里恵、
西本優子、
東内那津未、
林奈美子、
界文子)が名を連ねていたが、見事にその6名全員が1位でリーグ戦を通過。ベスト2着の2名は
肥田一美(JPBF)と山田祐子アマとなった。
大会には18名のレディースプレイヤーが出場
やはり会場の視線は19歳の大学生、イ・ミレに注がれる。前回大会同様、よく磨かれたルーティンとストロークを武器にオーソドックスな取り口で当てていく。しかし、韓国より重い日本のテーブルコンディションに苦労していたようで、噛まないヒネリや伸びない手球に首を傾げるシーンも多かった。今ひとつ波に乗れないままだったイ・ミレは、ベスト8の界戦には勝ったものの準決勝で東内に止められた。
3位タイ:イ・ミレ
韓国代表がイ・ミレなら、日本代表と言えばやはりこの人、肥田緒里恵。肥田は予選トップのアベレージ(1.034)で決勝ラウンドへ進み、8強中唯一のアマ、山田を破って準決勝へ。しかし、その準決勝では、堅実なプレーと気持ちの強さを兼ね備える西本の後塵を拝した。
3位タイ:肥田緒里恵
決勝戦は東内vs西本。実力伯仲の2人による対戦は、全編に渡って東内の状態の良さが発揮された格好となった。右腕の安定感と判断の鋭さを随所に感じさせるプレーで難球も当てこなしながら、17キュー・20-11で爽やかに上がってみせた。
準優勝:西本優子
「準決勝は『あれでよく勝てたな』という出来でしたが、それ以外はまあまあ撞けました。決勝戦は『ここまで来たら気持ち良く撞こう』と。それが良い方に出たと思います」(東内)
大会入賞者。左から5位タイ:肥田一美、5位タイ:林奈美子、3位タイ:肥田緒里恵、3位タイ:イ、優勝:東内、準優勝:西本、5位タイ:界文子
今年は2年に1度の『女子3C世界選手権』イヤーで、9月に韓国で本番が行われる。その日本代表の座は6月の『全日本選手権』の成績で決まる。女子3C強国として知られる日本の選手たちは、まず国内で熾烈な競争を勝ち抜かなくてはならない。2012年の世界チャンピオンである東内は、続く2014年大会に「前回優勝者シード」で出場したが、今回は特別扱いはない。世界の檜舞台を目指すトップ日本勢にとって、緊張感のあるシーズンが始まった。
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