第4回チャイニーズエイトボールマスターズ
昨年の中国国内ランキング2位の楊帆(ヤンファン)が連覇を達成
年明けすぐの1月5日~10日(火〜日)、中国の河北省にある秦皇島市で『第4回チャイニーズエイトボールマスターズ』が開催された。昨年までは24名の招待試合として行われていたが、今年は中国国内から32名、世界各国より32名の計64名と規模を拡大。予選リーグからベスト8シングルだった大会方式も、完全ダブル・イリミネーションに変更された。フォーマットは13ゲーム選手の交互ブレイクという長丁場。優勝賞金は現在のレートで約545万円。
4回目となる今大会は規模を大幅に拡大
あらためて説明すると、チャイニーズエイトボールとはプールと同じ9フィートテーブルながら、ポケット形状が丸くなったスヌーカースタイルのテーブルで行われるエイトボール。ルール自体はほぼプールと同じだが、とりわけコーナーポケットが渋いので、レール際の球はピンポイントの厚み、適正なスピードでシュートしないと入らない。プールのように捻って出そうとするとすぐ痛い目に遭うことになる。
特徴あるテーブルがチャイニーズエイトの競技性を生みだしている
日本からは昨年に引き続き
大井直幸が招待され、
土方隼斗は初の参戦となった。2人とも自分のホームにチャイニーズエイトテーブルがあり、今大会に向けて十分な練習を積んで大会に備えていたのだが、やはり現地のテーブルはかなりコンディションが違う。海外勢のシードの一人に選ばれた大井は初戦で中国選手に敗退。敗者1回戦こそロシアのアンドレイ・セロスタンに勝ったが続く敗者2回戦で土方に敗れて終了。土方は初戦で中国の女子選手に勝ったものの、勝者2回戦で6位に入った中国の王云に敗退。敗者3回戦では中国の王大双に敗れて25位タイで大会を終えた。
2年連続の出場を果たした大井直幸
中国勢に圧倒されたのは日本勢ばかりではない。プールなら間違いなく優勝候補に挙げられる
シェーン・バン・ボーニング、コーリー・デュエル(ともにアメリカ)、
トーステン・ホーマン、
ラルフ・スーケー(ともにドイツ)、
カルロ・ビアド、
リー・バン・コルテッザ(ともにフィリピン)といったプレイヤーが次々に敗れ、勝者側はあっという間に中国選手だけになっていく。圧倒的な経験値の差に、名手達も白旗状態。唯一勝者ベスト8に残り、孤軍奮闘となった
アレックス・パグラヤン(カナダ)も中国勢の壁を破れず8位に終わり、上位7名を中国勢が占める結果となってしまった。
初参戦の土方隼斗は健闘したものの25位タイでフィニッシュ
優勝したのは昨年からの連覇となった中国の楊帆(ヤンファン)。楊帆は昨年の国内ランキング2位。初戦で準優勝となった劉闖(リュウチュアン)に敗れたものの、敗者側怒濤の9連勝で決勝に進み、リベンジマッチを制した。
3月には第2回となる世界選手権が開催されるなど盛り上がりを見せるチャイニーズエイト。今大会の詳報は2月4日発売のCUE'S3月号をお待ちください。
On the hill!