『Ultimate Ball Marker』
ボールマーカー『Ultimate Ball Marker』
各種ラックシート(マルチ・フル・タートルなど)の製造している『C&F Olive』。同社がボールについたチョーク跡や汚れを試合中に拭く時などに、ボールを元の位置に正確に戻しやすくするボールマーカー、『Ultimate Ball Marker』を開発した。
このアイテムは、上記以外でも何らかの原因によりボールをテーブル上から人為的に動かさなければいけない状況の時に、製品のV字をボールに接するようにしてテーブルに設置し、置き直す際の目印として使用するもの。
ボールがV字に接していること分かるように、黒いラインが入っている
ボールの汚れを拭くことは、スキッド(埃やチョークの汚れにより、的球が通常の進行方向に比べて厚めに進むこと)の予防につながる。勝負の世界に身を置くプロともなれば、スキッドは重大な不安要素だ。「プロが試合中にボールを拭きたいと口を揃えて言っていた」(製作者、以下同)ことも、本製品を作る動機だったのだとか。
しかしゲーム中にそれを行うとなると、元の位置に戻す際に、時にコンマミリ単位の誤差であっても、一方が不利益を被る結果となりかねないケースもある。だからこそ、その再現に正確性をもたらすためには、こうしたアイテムの必要性は高い。「チョークを(ボールの)横に置いたりするのではなく、こうした専用アイテムがあることが競技性を高めてくれるのではないか」と期待もしているという。
キャロムにもスヌーカーにも対応
スヌーカーを撞いたり、試合を見ている人にとっては、頻繁に目にする馴染みのアイテムだが、これまでポケットビリヤードやキャロムにおいては、あまり国内では見かけない道具だった。この製品の開発に取りかかったC&F Oliveは、ボールに接する側をV字型にしたことで、全種目のボールに対応することを可能とした。
写真を見るとわかるように、Ultimate Ball Markerの特徴は、V字側の底を斜めにカットしていること。この工夫により、ラックシートにこの製品が乗り上げずに使用できるため、ブレイク後にいずれかの的球が上に乗ってしまった場合などに、ボールの位置が変わってしまう心配もなく、ラックシートを取り除くことが可能。
側面から見ると、先端が斜めにカットされている
現在の競技ビリヤードにおいてスタンダードになっているラックシートを製造する同社だからこそ、上記のような問題点に配慮した気配りができたのだろう。また、透明のアクリル素材でできているため、V字部分のボールとの接点には黒いラインを左右に4本入れることで、ボールの「受け」となる部分に、接触しているかどうかを視覚的に判断しやすくしている。
先日の『FLEXSCHE Cup 2015』でもこうした場面で使用されていた
スキッドなどのミスの軽減につなげやすくなり、リプレイス時のボール位置の再現性も高いとなれば、プレイヤーにとって有り難いアイテムとなるはずだ。Ultimate Ball Markerは、'16年1月中旬ごろからビリヤード用品を数多く取り扱う『ニューアート』にて販売される予定。