女子ナインボール世界選手権
自国で連覇を飾った劉莎莎
11月8日(日)、中国・桂林で行われていた『女子ナインボール世界選手権』は、ファイナルでジャスミン・オーシャン(オーストリア)を下した(9-4)劉莎莎(中国)の大会連覇で全日程を終了した。日本人選手の最高位は河原千尋の4位。同大会では本人にとって初の快挙である。
河原千尋、ナインボール世界選手権では過去最高の4位
5日から始まった、64名で争われたステージ2(ダブル・イリミネーション)には、河原、梶谷景美、曽根恭子、夕川景子の4名が挑戦していたが、曽根を除く3名が決勝シングルとなるファイナルラウンド(9ゲーム先取)に勝ち上がる。敗者最終のカードが、夕川vs曽根の日本人対決となったのは悔やまれるところ。
3名体制で臨んだ1発勝負の決勝シングルは、6日にスタート。初戦で梶谷と夕川がそれぞれ劉と陳思明(中国)という、現在の世界の女子シーンでも中心的存在の2人に苦杯をなめることとなった(劉 9-0 梶谷、陳 9-6 夕川)。唯一、河原は陳雪(中国)は9-6で翌7日のベスト16へ駆け上がる
ベスト32で敗れたが、梶谷の3大会連続のシングル進出は容易じゃない
河原にとってベスト16は、これまでのこの大会の障壁だったが、台湾の強敵・陳禾耘を9-4を退けてナインボール世界選手権では初の8強入りを果たす。次の相手は'13年のテンボール世界女王、ルビレン・アミット(フィリピン)。ここをヒルヒルの大接戦の末に乗り切りって自己最高記録は頂点まで続くかと思われたが、準決勝のオーシャン戦はヒルヒルマッチを落とし、8日の3位決定戦へ回ることになった。
河原の前に立ちはだかった準優勝のオーシャン
3位決定戦の相手は、全日本選手権の覇者にも輝いたことのある台湾の周婕妤だ。躍進の大会を勝利で締めくくりたいところだったが、難敵を相手に7-9の惜敗。それでも、河原は世界の頂きに対して、射程圏にいることを世に知らしめたことだろう。早くも次の世界戦に期待が高まるというもの。
ファイナルラウンドまで、夕川はステージ1から駆け上がった
そして日本へ戻れば、これからは全日本選手権が始まる(男子のステージ1は本日より開始)。この世界選手権にステージ1から参戦の野内麻聖美も含め、世界でさらなる経験値を積んだ顔ぶれが、きっと今度は国内最高峰の舞台で躍動する姿を見せてくれることだろう。
写真/Alison Chang