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過去のニュース(2015年)

2015.11.15 トーナメント

優勝はヨハン・チュアとキム・ガヨン!

第48回全日本選手権

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左から3位のハン・ハオシャン(中国)、準優勝のロナート・アルカノ、優勝のヨハン・チュア、3位のシェーン・バン・ボーニング、ベストアマの酒井大輔(9位タイ)


本日最終日を迎えた『第48回全日本選手権大会』。男子の部はフィリピンのヨハン・チュアとなった。チュアは本日のベスト8で最終日唯一の男子JPBA選手である羅立文を下すと、準決勝で『USオープン』3連覇のスーパースター、シェーン・バン・ボーニング(アメリカ)をほとんど寄せ付けることなくファイナルへと駒を進めた。

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ヨハン・チュア、強敵を打ち破り続けての優勝!


そして今年の全日本選手権者が決まる決勝戦の対戦相手はロナート・アルカノ。アルカノはかつて06年『ナインボール世界選手権』、07年『エイトボール世界選手権』を制している、チュアにとってのフィリピンの大先輩だ。既に敗退しているフィリピン選手の仲間達も見守る中で、試合は始まった。

序盤のチュアはバン・ボーニングを圧倒したセミファイナルのプレーと違い、パーフェクトとはほど遠い内容。百戦錬磨の名選手、アルカノは精度高く淡々とプレーを続けて1ゲーム目から一気に5セットを連取する。しかしながらその間、徐々にチュア本来のプレーが戻ってくる。5点先取された直後にそこから4連取で返した。そして12ゲーム目でイーブンに戻すとアルカノはたまらずタイムアウトを取る。

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惜しくも準優勝、ロナート・アルカノ


次のゲームで1点を返すものの、もはやチュアのペースに持ち込んだ。第15ゲーム目で8-7としてこの試合初めてリードを取り、そのままゴールへ。最後は10番を撞く前にアルカノからハイタッチを求めていった。チュアは過去にも全日本選手権で2度の3位タイがあったが、23歳にして今回のビッグタイトル獲得となった。昨年の選手権者、レイモンド・ファロンなどと並び、新たなフィリピン時代の幕開けの予感をさせる。

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左から3位の木村真紀、優勝のキム・ガヨン、準優勝の河原千尋、3位の高木まき子


一方、ベスト8に日本人選手を6人揃え、2年前の梶谷景美に続く選手権奪還を狙う女子の部。最後に一番高い表彰台に立ったのはキム・ガヨンであった。キムはベスト8で同じ韓国のパク・ユンジ、セミ・ファイナルで産休明けのトーナメント復帰から間もないながらもここまで勝ち上がった木村真紀をともに圧倒して勝ち上がったいった。

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河原千尋、初の全日本選手権者まであと一歩届かず


反対の山から上がったのは日本女子の大エース、河原千尋だ。今日はベスト8で一昨年の決勝戦で敗れているとなる梶谷、準決勝で94年の全日本選手権者である高木まき子と過去の優勝者2人を破っての決勝戦進出。ここまで、1回戦がなく今大会の初戦となった藤井寛美との勝者最終以外はどの試合も危なげなく勝ち上がっていることもあり、今大会日本勢最後の砦として会場の期待を集めた。

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世界チャンピオンの実力を日本のファンに披露した、キム・ガヨン


しかしながら、3度の世界制覇をしているキム、やはりその壁は厚かった。キムは高い精度のショットを重ねて河原を相手に先行するとそのまま9ゲーム目まで走り切った。キムは表彰式でのインタビューでまず日本語で一声、「とってもウレシイデス」と話し、何度も参戦しながらようやく獲った全日本選手権タイトルを喜んだ。

日本勢としては今一歩、物足りない結果の全日本選手権となったが、大会中は間違いなくワールドクラスの戦いがそこかしこで繰り広げられ、JPBA選手にとっては世界を感じる最高の舞台となったことは間違いない。男子の国内トップランカーが表彰台にはいないが、ほんの少しの勝負の展開の違いで、まったく違う結果になっていたことも予想できる。女子も河原の選手権準優勝はこれで2度目。「次こそは」という期待はやはり高まるばかり。

このワールドクラスの戦いの模様などをより詳しく、12月4日発売の『CUE'S1月号』でお伝えする予定。今回会場に足を運べなかったファンをそちらをご覧頂きたいと同時に、来年こそは日本勢の選手権奪還への声援を送るべく、観戦に訪れてほしいと思う。