『第11回スポ・レクさわやか祭り』にて
11月3日、東京都杉並区内の『上井草スポーツセンター』という施設で『第11回スポ・レクさわやか祭り』という催しが開かれ、『杉並区ビリヤード連盟』のアピールによって、その他様々な競技とともに同区民の方々がビリヤードを知り、体験した。以下では、その講師として、また自らが立ち上げた「杉並区ビリヤード連盟」の一員として、このイベントに参加した有田秀彰プロによるレポートを届ける。
有田秀彰プロ
ポケットビリヤードの世界では聞いたこともある方も一定数いるかと思いますが、このスポレクとは、全国の自治体にあるスポーツレクリエーション協会の略で、大まかに説明すると野球やサッカーとは別の、「ちょっと」マイナーなスポーツ団体で構成される組織のことです。
現在、縁があって東京都杉並区に住んでいる私は、区内のビリヤード場のオーナー様やそのお店の常連の方々、所属のプロ選手など、多くの方の協力を得て杉並区ビリヤード連盟を立ち上げるに至り、同連盟として『杉並区スポレク協会』に加盟しています。
毎年この時期に行われる、この『杉並区スポ・レクさわやか祭り』に参加して今年で4年目となります。本イベントはペタンクやユニカール、スポーツチャンバラなどといった他の競技団体と一緒に、ビリヤードを区民の方々に知って、体験してもらう貴重な機会となっています。
講師を努めた安部五月プロ(右から2番目)
今年は小学生が約30名、その親御さん約10名に、ビリヤードを体験してもらいました。テーブルは6フィートのミニテーブルで、大人の男性2人であれば簡単に持ち運びができるものです。水平が取れている云々の細かい問題はありましたが、ビリヤードというものを知って、体験してもらうという名目の前には、さほど意味をなさないと感じた次第です。
講師役としては、杉並区阿佐ヶ谷にある『Roots』所属の安部五月プロも活躍してくれました。参加してくれた子供達はみんな「ビリヤード楽しい!」、「面白い!」と口々に言ってくれます。その言葉や表情の輝きは、ビリヤードの発展の可能性を示していると感じました。
6フィートテーブルなら、子供でもプレーしやすい
ただ、その可能性を再認識すると同時に、克服すべき課題が私の頭をよぎったのも事実です。例えば、今回のこのお祭りでビリヤードを体験した子供達が「明日からまたビリヤードをやりたい!」、「試合で活躍できるような選手になってみたい!」と言ってくれたところで、我々はどのように対応すればよいでしょうか。
たばこの煙が立ち込める場所で、子供達を遊ばせようとは思わない親御さんがほとんどだと思います。野球やサッカーのように部活動として学校に認められるまでのハードルはとてつもなく高く、例えそのハードルをクリアできたとしても学校の先生が顧問となってビリヤードを子供達に教えることができるか、という指導者の問題もあります。他にもたくさんの課題を乗り越えなければなりません。
この子供達に再びプレーしてほしい
現在プレーしているジュニア選手達は、様々な問題をクリアできた奇跡に近い存在なのです。ビリヤードが持つ可能性を将来に閉ざさないためにも、今「業界全体」でこれらの問題に対する解決策に対して常にアンテナを張り、知恵を絞る必要性があると思います。
私にできることは僅かなことかもしれませんが、微力なりに可能性を発信し、継続的に活動していくことで、実を結ぶことがあることも知っています。プロ選手である限り、業界に貢献して行きたいです。
有田秀彰