東日本グランプリ第7戦
今年の東日本最終戦は『バグース六本木店』
10月25日(日)に開催された『東日本グランプリ第7戦』。会場は東京・六本木の『バグース六本木店』で、フォーマットはテンボール、交互ブレイク、8ゲーム先取となっている。年間のグランプリMVPも決まるこの1戦、多くのギャラリーも詰めかけた。
左から東GPベストアマ・丸岡良輔、東GPランキング2位・羅立文、同MVP・土方隼斗、同3位・栗林達
予選を勝ち上がった面々を見ると、前日予選で敗れたために年間MVPを争っていた栗林達の名前がなく、この時点で土方隼斗の年間MVPが確定となった。土方は自身の優勝で年間MVPに華を添えたいところだったが、ベスト8で塙圭介に敗れて5位タイでフィニッシュ。
塙、最後はまさかのスクラッチで3位タイフィニッシュ
その塙は今戦が今年2度目の東GPの決勝日進出。ベスト16で鈴木清司、ベスト8で土方と今年の東GPで好成績を残す2人を相手に勝ち進んだ。そして準決勝の対戦相手は羅立文。終盤までもつれる好ゲームとなったが、ヒルヒルに追い付こうかという第14ゲームの8番でまさかのスクラッチを犯し、羅に決勝戦への切符を渡した。
小川徳郎はプロ2人を破って3位タイに
また今戦はアマチュア選手が2名、決勝日に進出した。それは丸岡良輔と小川徳郎という神奈川ポケットビリヤード連盟(KPBA)のエース2人。丸岡は今年2度目の決勝日進出となり、ベスト16で早瀬優治に破れるものの東GP年間ベストアマチュアとなった。
先日第55期の『名人位』に就いたばかりの小川は浦岡隆志、藤井洋光と2名のプロを破ってベスト4へと進出。やはり名人の名が伊達ではないことを証明した。しかしながら準決勝では丸岡を下した早瀬に8-4で敗北。早瀬はKPBAの後輩2人に力を見せ付けた格好で、昨年の第3戦以来の東GPファイナル進出となった。
決勝戦は非常にハイレベルな戦いとなった
今年の東GPでは3度目のファイナル進出の羅と久々の優勝を狙う早瀬の対決。早瀬のプロ入り後の優勝は2009年の東GPの第3戦のみだ。羅のブレイクから始まった試合は第1、2ゲームと互いにマスワリスタートと序盤から互いにパーフェクトなプレーを見せる。
早瀬とともにミスの少ない、締まったゲームで魅せた羅立文
羅が先行しつつ一身一体の攻防の中、まずゲームが動いたのは4-3と羅リードで迎えた第8ゲーム。早瀬はブレイクを乱し、取り出しの1番が見えずにプッシュアウトを選択。これを羅がパスすると早瀬はファウルを犯し、サイドポケット前にあった10番を1番とのコンビで羅が沈める。さらに第9ゲームは羅がマスワリで得点し、6-3とリードを広げた。
今年初のファイナル進出となった早瀬優治
交互ブレイクという大逆転の起こりにくいフォーマットも考えると大勢は決したかに見えた。しかしながら、早瀬は第10ゲームに難しい配置を高い攻撃力で紐解いてマスワリすると、次のゲームは羅のバンクコンビミスからの取り切り、そして再度のマスワリで一気に3連取で追い付いた。
第13ゲーム、先にリーチをかけたい羅だったが強烈なブレイクショットからオープンな配置ができたところで4番をシュートミス。そこから早瀬はサイドへの薄い4番、クッション際からの遠い6番、そして薄いロングの7番と難球を次々に沈めて取り切り、この試合始めてのリードを奪ってリーチをかけた。そして迎えた第14ゲームはブレイクノーインからのセーフティ合戦も制し、5連取で逆転勝利を収めた。
左から小川、早瀬、羅、塙
互いにほとんどミスがないハイレベルなファイナルだったが羅の僅かなミスとそれを受けた早瀬の強烈なシュート力が勝負を分けたようだ。これで早瀬はプロキャリアにおいて2度目の優勝。早瀬のプレーは持ち前の高い攻撃力が魅力だが、その一方で「オフェンスの練習は最近ようやく終わった」と話しておりセーフティ、空クッションの精度にも磨きをかけているとのこと。昨年までは関東の試合に限定しての出場だったが今年は全国の試合にフル参戦。来月の『全日本選手権』にも久方ぶりに出場する予定だ。地力を着実に上げてきた早瀬が、また大暴れする姿が尼崎でも見られるかもしれない。
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