東日本グランプリ第6戦
土方隼斗が優勝記録を13回に更新
9月27日(日)、東京・池袋の『ビリヤード・ロサ』にて、『東日本グランプリ第6戦』の決勝トーナメントが行われた。決勝のフォーマットはテンボールの8ゲーム先取、勝者ブレイク。
ベスト16には、土方隼斗や羅立文、赤狩山幸男、鈴木清司、水下広之といったグランプリランキング上位陣の面々が多く並ぶ中、お馴染みの塙圭介や津堅翔といった実力者が今季初の予選突破だったことは意外な事実。
会場の『ビリヤード・ロサ』
この日はグランプリMVPレースも佳境とあって決勝トーナメントは1回戦から見逃せない試合が多い中、同ランキング3位タイ(1位は栗林達と土方が同率)に付ける赤狩山が有田秀彰にヒルヒルで敗れ去る。一方で栗林不在中(World Cup of Pool出場のため)に、このレースで優位に立ちたい土方と羅は快調にベスト4まで勝ち上がる。
そしてその2人と同様に気を吐いていたのは、永松宣明だ。早いテンポで軽快に的球を沈めていき、高野智央を8-2で下すと続いて浦岡隆志を8-3と寄せ付けず、4強へ。今季3度目の決勝日入りを果たしている田仲海輝も、森谷眞樹アマ、有田を下して第1戦以来のセミファイナルの切符を手にした。
序盤から「入れに入れていた」のは永松
準決勝のカードはいずれもいずれも一進一退の攻防となる。土方vs羅は、先攻する羅を土方が追いかける展開。終盤で土方が6-6に追い付くものの、先にリーチをかけたのは羅だった。14ゲーム目、なんとか残り2球までたどり着いたが、次のショットはコーナーに嫌われ、土方に予想外のチャンスが巡る。これを無事に取り切ると、ヒルヒルで迎えたブレイクは取り出しが無く、セーフティ戦へ。ここで羅に綻びが出て、土方がグランプリ13度目の優勝へ王手をかけた。
目前でファイナルへの道が断たれた羅
今まで優勝経験がない永松と田仲の対戦は、シーソーゲームの末にヒルヒルを迎える。こちらもハイレベルなセーフティ合戦となるが、チャンスをモノにしたのは永松だった。やがて、9番を沈め、さほど難しくない10番を残すのみだったが、このゲームボールを永松が外してしまう。もはや諦めモードだった田仲は急遽、ゲームへの復帰を余儀なくされる。そして緊迫の空気が流れる中で田仲が放ったショットは、まさかの入れスクラッチ。大波乱を制した永松がファイナルへ。
田仲、悔やまれるゲームボール、そして敗戦
ファイナルは土方がキレていた。一方、昨年も同会場でのグランプリでファイナルを戦って敗れている永松(相手は内垣建一)は、その時の気負いもあってか、序盤戦からの勢いに陰りが見られる。土方の2番-10番コンビで開幕したゲームは、一度永松が2-2に追い付くものの、反撃もそこまで。土方がこれぞ「ザ・スーパーショット」と言わんばかりのバンクショットを炸裂させるなど、ギャラリーに強さを魅せ付けた後にグランプリ優勝記録は更新された。
決勝は'13年の圧倒的な強さを彷彿させる出来
これにより土方のグランプリランキングポイントは980ポイント(以下、pt)に到達。第7戦のシード権(前回大会優勝シード)によりベスト16以上が確定していることから、そこに100ptが上乗せされることも決まっているため、最終戦を終えた時には1080pt以上となる。MVPに片手をかけたと言っていい。
なお、先週金曜日にお伝えした記事の中で、ポイントランキングについて誤りがあったのでこの場を借りて訂正させてほしい。栗林には今回日本代表として上記大会に出場していることから、辞退であっても100ptの加算があるとのことで、第6戦を終えた時点で860ptとなる。従って、最終戦で栗林が優勝し、土方が決勝トーナメントの1回戦で敗れた場合は、その時点のJPBA全日本ランキングにMVPの行方が委ねられる。