International Cue Collector Show 2015 in Denver, Colorado
キューコレクターの祭典が開催
【2年ぶりのICCSはデンバーで開催!】
8月28日・29日(土・日)、カスタムキュー展示会、『インターナショナル・キュー・コレクターズ・ショー』(ICCS)が2年ぶりに開催された。会場はコロラド州デンバー郊外にあるウェスチン・ウェストミンスター・ホテル。今年で13回目となる本イベントは、アメリカのキューコレクター、ウィル・プラウトを中心としたコレクター有志が主催。
主催者のウィル・プラウトと彼のコレクション
歴史的価値、美術品的価値を持つコレクションの一般公開を主な目的とし、参加キューメーカーはそのサポートという位置づけだ。初日は関係者限定、翌日は一般公開、二日間でわずか8時間半という贅沢なショーだ。
【充実した様々な展示】
展示キューコレクターは、17名。日本からはUKコーポレーション代表、大原秀夫氏と筆者がコレクターとして参加した。さらにビリヤードアンティークコレクターのディヴィッド・ボンドが初参加。会場内は全米各地のコレクターや地元のプレイヤーが多数訪れた他、キューメーカーのアーニー・ギュテレス(ジナキュー)、トーマス・ウェイン、ビル・シック、ロン・ヒーレー、アーニー・マルチネス、デイブ・キケルも姿を見せ、活発なキュー談義が各所で交わされた。
大原氏と筆者共同で展示したTADコレクション
今回展示ブースを構えたキューメーカーは、おなじみのAE、リチャード・ブラック、リチャード・チュディ、アンディ・ギルバート、ジェリー・マクウォーター、クリス・ニッティ、pfdの7名とジョシュ・トレードウェイ、クリス・バイン、マイク・ロバートソンの初参加組3名を加えた10名。
キューケースメーカー、フィル・イーストウッド
カスタムケースメーカーとして、ジョン・バートンとフィル・イーストウッドの2名も展示していた。さらにスクリムショー(線刻)・アーティストとして数多くのキューを手掛けたサンドラ・ブラディも作品を展示。これらキューやケース等の新作は購入可能で、コレクターとの商談がいくつも行われていた。
【恒例の「コレクション」と「コンテスト」】
ICCSでは毎回、参加キューメーカーが一つのテーマに沿った一点ものの作品をあらかじめ製作し、「コレクション」が初公開される。今年は「シティ」がテーマ。キューメーカーが任意の都市を選び、その都市にちなんだデザインを施したキューを製作したものだ。今回参加したのは、C・ニッティ、A・ギルバート、pfdの3メーカー。これらは一本ごとに会場内でオークションされ、すべて落札された。
今年の「シティコレクション」。左からクリス・ニッティの「気球フェスティバル」で有名なアルバカーキ、pfdはロンドン、ギルバートは音楽とガス燈のニューオーリンズをそれぞれモチーフとしている
また、例年通り二つのコンテストも行われた。一つはキューメーカーの新作キューから参加コレクターが投票で決める『コレクターズチョイス賞』。受賞したのはICCS初出展のJ・トレードウェイ。もう一つはキューメーカー・コレクター両方の展示作品の中から、一般入場者も含めた全参加者が最高の一本を選ぶ『グランドコレクション賞』。こちらはコレクター所有のブラックボアのキューが選ばれた。
一般公開日ならば誰でも最高水準のキューワールドが堪能できるICCS。カスタムキュー愛好家のパラダイスだ。次回リポートではコレクター注目のキューやケースを紹介する。
K.Kagomiya