遠い中東で『ナインボール世界選手権』が始まったばかりの9月半ばの週末、大阪でJAPA主催の『第16回マスターズ』が開催された。全国の地区予選を勝ち上がった64名による、アマチュアテンボーラー最強決定戦だ。優勝者にはBCJよりチャンピオン・ブレザーが贈られる。
昨年のチャンピオンは現球聖位でもある広島の大坪和史。ラスト一球で明暗が分かれた、今年プロ入りした和田敏幸との昨年決勝ラストを覚えている方も多いだろう。今大会にはJAPAの現役タイトル保持者(名人:喜島安広、アマローテ&都道府県MVP:小川徳郎、球聖&マスターズ:大坪和史、女流球聖:佐原弘子)全員に加え、昨年の和歌山プレ国体を制した島田隆嗣、今年のアマナインを制した大塚郷司と、アマチュアタイトルホルダーが全て一堂に会する豪華な大会となった。
12日(土)は『玉出ビリヤードACE』で予選が開催された。6ゲーム先取、勝者ブレイクのダブル・イリミネーションで、勝者側8名&敗者側16名の計24名のみが13日(日)に『マグスミノエ』で行われる決勝日に進むことができる。上記6名のチャンピオンのうち、佐原弘子が負け勝ち負けで通過を逃すも、残る5人はきっちりと勝ち上がる。
決勝日は負ければ終わりの7ゲーム先取のシングル戦だ。朝一の敗者最終では小川徳郎と島田隆嗣が激突し、小川が7-4で勝利。この勝ちで勢いに乗った小川は続くベスト16とベスト8で連続7-0のスコンク勝ち! 準決勝では同じKPBAの長谷川俊介を0-4ビハインドから7連取で倒して、自身3度目となるマスターズ決勝進出を果たした。ちなみに、ディフェンディングチャンピオンの大坪は長谷川に勝者最終とベスト16で敗れ、連覇の夢を絶たれている。反対の山の準決勝では喜島安広と静岡の政二真琴が対戦。こちらも政二の1-0から喜島が7連取して決勝進出。喜島はベスト8で大塚郷司を撃破。余談だが、2010年のアマナインでは喜島が決勝で大塚を倒していた。
喜島安広 vs 小川徳郎。タイトル保持者同士の決勝となったこの顔合わせ、奇しくも月末に行われる第55期名人位決定戦と同カードとなった。今大会前から、もしそうなったら面白い、とは言われていた対戦だが、まさか本当にそうなるとは。ちなみに8月の『東日本テンボール』決勝でも2人は対戦し、ヒルヒルの激闘を喜島が制している。
喜島vs小川。その第3ラウンドは、9月27日の名人位決定戦だ
さあ決勝スタート! 共に精度の高いブレイクを武器に勝ち上がって来た2人だが、この試合に限って共に当たりが悪く、序盤はセーフティ戦中心の展開に。だが、小川が3-1にする9番を穴カタしたところで流れが変わる。喜島がここから取り切り3連続マスワリで一気に5-2。小川が1点返し、喜島が6-3とリーチをかけた第10ラック、喜島が取り切り配置の4番をミス。残り球のロングカットを小川が決めるもこれがコーナースクラッチで万事休す。喜島が初のマスターズタイトルを獲得した。果たして、この結果が名人戦にはどう影響するのか?喜島 vs 小川の第3ラウンドは9月27日(日)だ。