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過去のニュース(2015年)

2015.08.12 トーナメント

今年の挑戦者は小川徳郎!

第55期名人戦A級戦

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小川は無傷の5連勝で挑戦権を獲得


8月9日の日曜日に、『ピカソ』(京都市)において『第55期名人戦A級戦』が開催された。このA級戦は北海道から沖縄まで各地の予選を勝ち抜いた15名とシード選手1名(前年の戦績より)の計16名だけに立つことが許される。ここは毎年のようにトップアマの中のトップアマだけが集う場として知られるが、今年は特に豪華なメンバーが揃って注目を集めることとなった(大会フォトギャラリーはコチラから)。なおレフリー、スコアラーは例年通り京都ローテーションクラブ(KRC)のメンバーがグリーンのベストを纏った正装で務めた。

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『ピカソ』に集った16名。いずれも全国で名を馳せるトップアマだ


スタートは朝10時。6台のテーブルを使用して試合は進み、前評判通りに順調に勝ち上がるタイトルホルダーもいれば、そういった猛者をサクっと倒す選手がいたりして、毎年ながら『この場所で優勝する確率は誰もが16分の1』ということを思い出させてくれた。そして無傷の3連勝で勝者側ファイナルへ進出したのは、石川県の杉本優太と神奈川の小川徳郎。小川が今年の都道府県対抗MVPなら、杉本は2009年の同タイトル保持者。

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勝者ファイナルで小川を追い詰めた杉本優太(3位)


その杉本が、今や最強アマの名を欲しいままにする小川を敗者側へ追いやるか。そんな杉本優勢で展開したゲームだったが、結局小川が静かに逆転を果たしてホットシートに座った。敗者側では大坪和史(広島)と持永隼史(東京)の元名人対決を持永が制して、隣に降りてきた杉本と対戦することに。ここは敗者ゾーンで続々と難敵を下してきた持永が、接戦を制して小川との決勝戦へと向かった。

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持永との元名人対決に敗れた大坪が4位


ファイナルの開始は18時過ぎ。過去に4期にわたって名人位に就いていた持永の経験値か、ここ1年ほどでローテーションというゲームを我が物とした感さえ漂う小川の才覚か。いずれも仕上がりは万全で、どちらが勝っても好ゲームになること必至のゲームが始まった。敗者側の持永が勝てばプレーオフ突入となる状況だ。

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ハイアベレージなプレーを見せた持永だったが、今回は小川に惜敗


持永も名人在位中以上に高いポテンシャルを披露する。小川もまた、小さなチャンスでも大きな得点につなげる。もちろん、互いにミスがなかった訳ではないが、この決勝戦でも『気が付けば小川』となった。本当に静かに飄々と、複雑な配置も取り切ることが当然のように。小川は3回戦あたりからは競ったゲームが続き、決して電車道ではなかったが、このメンバーの中で無傷の優勝。10代の頃から全国タイトルを獲るなど強さを見せていた小川だが、いよいよ熟練した死角のないビリヤードが完成の域に入りつつあると感じさせる。

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トップアマの中にあっても小川の強さは際立っていた


そして待ち構える現名人は埼玉の喜島安広。つい先日の『東日本東京テンボール』では喜島がファイナルで小川を下して優勝した経緯もあり、挑戦権を獲得した小川は「この間のこともあるので、リベンジする機会を得られたと考えたら嬉しいですね」と目の奥をキラリと光らせた。一方の喜島サイドも挑戦者が小川に決まって、一層の気合いを入れたに違いない。9月27日の名人位決定戦は、おそらく過去最高の両応援団が駆けつけて、歴史に残る名勝負になる。そう、予言でなく断言する。

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現名人の喜島安広が小川との決定戦を待つ

Akira TAKATA