2015 Asian Pool Championship
見事タイトルを獲得した羅立文
新アジアチャンピオン誕生! 2015年、アジアの頂点に立ったのは羅立文! 2015年アジア選手権は、7月31日に男子決勝、ジュニア男子ダブルス、ジュニア女子ダブルスの決勝をおこない閉幕した。
3位タイのアロイシス・ヤップ
まず、ダブルスに出場した日本ジュニア勢は、男子が敗者最終で3位タイに入った香港Bチームに敗れ、5位タイ。女子は予選0勝2敗でシングルには進めなかった。今回参加した中では、フィリピンの3人が頭一つ抜けていたものの、正直なところ他と大きなレベル差はないように感じられた。強化策さえ上手く考えれば、日本ジュニアも十分戦える。あとは如何に大人達が環境を整えてあげられるかだ。オリンピック種目に選ばれなかったとはいえ、ジュニアの育成はあらゆるスポーツにおいて至上命題。NBAに課せられた責任は非常に大きいことを忘れないで欲しいものだ。
同じく3位タイ、台湾の張榮麟
さあ、そして大活躍だった男子。30日の敗者側で
栗林達がベトナム選手にヒルヒルで敗れてしまったものの、予選ダブルを勝者側から勝ち上がった羅立文が、ベスト8で台湾の張玉龍、準決勝ではシンガポールのアロイシス・ヤップを倒して見事に決勝へ。反対の山からは、現在もJPBA内で熾烈なランキングトップ争いを繰り広げている最大のライバル、
大井直幸が上がってきた。
ファイナルはJPBA対決に!
海外でのJPBAファイナル、これは実に奥村健が勝った1994年のナインボール世界選手権以来21年ぶりの快挙だ。やはり勝者側からシングルに進んだ大井は、
柯秉逸、
張榮麟という台湾トップ2を倒しての決勝進出。ちなみに大井が海外戦でファイナルの舞台に立つのはこれが初めてのこと。そして、羅立文の海外決勝と言えば、2010年のUSオープン10ボール。フィリピンの
リー・バン・コルテッザにヒルヒルで敗れたものの、あれが世界に"ROLEX"の名前を知らしめるきっかけだった。
羅と大井の戦いは息詰まる熱戦となった
注目の決勝は大井のマスワリでスタート。中盤から大井がリードを拡げ7-4とし、羅が自分のブレイクをキープして7-5。続く大井のブレイクは完璧に決まる。これは終わったかと誰もが思った瞬間、2番でまさかのスキッド。これで流れが変わってしまった。羅が連取してヒルヒルに追い付いた最終ラック、大井は取り出し1番のカットを決めたが、これで配置が変わって先球が隠れてしまう。大井のジャンプは入らずオープン。羅、これを慎重に取り切って、海外戦初勝利。さらにアジアチャンピオンというビッグタイトル獲得に成功だ。所属上、今大会では「日本代表」として戦った羅だが、母国での勝利は格別だったに違いない。
大井、アジア王者に一歩届かず
これまで台湾勢には惜しいところで常に勝利を譲ってきたJPBA勢だが、今回は敵地でキッチリお返しをした形。この結果でJPBA男子の実力は世界トップレベルにあることを証明できたと思う。とは言え、会場の空気が台湾びいきのアウェーだったわけではなく、地元の撞球部の学生を中心に、選手達に分け隔て無く熱い拍手が送られていた。ビリヤード場開催ではあったが、アムウェイで培った台湾の大会運営能力は非常に高く、全体的に好感の残る大会だった。台湾では来年またアジア選手権を開催予定。今度は特設開催で、女子もやる予定だとか。是非実現して欲しいものだ。
On the hill!